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7. よいどれ医者のよもやま話 Yuck 2011年2月11日
├8. 穴あきペットボトル Dr.Yoidore 2011年3月11日
├9. 紫外線と日焼け Dr.Yoidore 2011年6月8日
├10. 日焼け止め Dr.Yoidore 2010年7月7日
├11. 『芍薬甘草湯』の落とし穴? Dr.Yoidore 2011年1月30日
└12. 破傷風の予防注射 Dr.Yoidore 2012年4月19日
4. エラスコットの膝の基本的な巻き方 Dr.Yoidore 2010年5月19日
├5. エラスコットの膝の巻き方その2 Dr.Yoidore 2010年5月19日
└6. エラスコットの足首の巻き方 Dr.Yoidore 2010年5月19日
3. 絆創膏 asaihappako 2010年5月6日
2. 消毒液 juji 2010年4月15日
1. 基本救急セットの注射器 タマ 2010年4月14日
12. 破傷風の予防注射 よいどれ医者 2012年4月19日
よいどれ医者のよも山話し⑤ 『破傷風の予防注射』
まず結論から言うと、「日常的に山に登るなら破傷風の予防接種は受けておきましょう」である。
破傷風とは、ご存じの通り、土壌に含まれる破傷風菌に感染し、最後は全身痙攣を起こして死んでしまう怖い病気。発症すれば致死率は50%ともいわれている。日本国内でも、いまだに毎年100人程度がかかり、5-10人くらいが亡くなっている。
一般的には、土で汚染されたような切り傷、釘や木の枝の刺し傷、犬・猫など動物による咬傷で危険が高い。そのような怪我をしたときは、病院に行って破傷風トキソイドという予防注射を打つことで、自分の免疫を刺激して感染を予防することができる。
しかし、これには二つの落とし穴がある。
ひとつ目は、病院に行かないような小さな傷や、怪我した覚えがないのに破傷風を発症することがあるということ。
もう一つは、1968年以前に生まれた人、副作用のために一時期3種混合ワクチンが中止されていた時期にかかる人、最後の予防摂取から25-30年以上経ち免疫記憶が消えてしまっている人。これらの人は、怪我をしてから予防注射を打っても、十分な効果が期待できない(このことは医者でも意外と知らない)
日常的に山を登り、特に沢登りやバリエーションルートで藪こぎなどをして、いつも小さな傷が絶えない人は、日頃から破傷風に対しての免疫力を維持しておくことが大切だ。
つまり、40歳以上のひとで、怪我などで特別に破傷風の予防注射をしたことが無い人は、一度、基礎免疫を獲得し直し(3回接種)、その後、5-10年毎に1回ずつ注射をする。
30歳以下のひとで、3種混合などの指定された予防注射をすべて受けた人は、5-10年毎に1回ずつ、追加の免疫を付けていく。
30-40歳の人は、1975-81年に一時期3種混合ワクチンが中止されていたそうなので、微妙。
予防注射は基本的には自費診療で、1回あたり2000-4000円のところが多い(1回目は高く、2回目以降安くなるところも)。突然行っても薬を置いていないところが多いので、電話で予約を取りながら値段も確認するといいだろう。
多少の裏技もあるが、ここでは、ひ・み・つ。
なにをかくそう、私自身も今日、裏技は使わずに正規料金で1回目の接種を受けました。
<破傷風 豆知識>
・ 潜伏期間は3日~3週間。つまり、それっぽい怪我をしたら1ヶ月くらいは注意が必要。
・ 初期症状は、口が開きにくい・物が飲み込みにくい・舌がもつれるなど。ひどい肩こりのことも。
・ 破傷風菌の芽胞には、ほとんどの消毒薬は効かない。ポピドンヨード(イソジン)がやや有効な程度。基本的には良く洗うこと。
・ 破傷風菌は嫌気性菌なので酸素が苦手。逆にへたに閉鎖・密封すると危険なこともある。
・ 基本的な免疫力は何に対しても有効なので、いつも元気よく、体調を整える。
※ 昨年の東日本大震災では瓦礫の片付けなどで怪我をする人が多く、破傷風トキソイドが一時入手困難になりました。また、実際に破傷風を発症した人も何人もいたようです。災害対策としても、破傷風の免疫を獲得しておくことは大切です。
文:どくとる・てぃっぷる
よいどれ医者のよも山話し④ 『芍薬甘草湯』の落とし穴?
ご愛用の方も多いかもしれない、芍薬甘草湯。
漢方薬であるが、筋痙攣(いわゆるこむら返り)に速効性があるとされている。
一般の薬局で手に入るものの用法用量をまとめてみた。
********(以下、ただの計算なので読み飛ばし可)********
ツムラ:
2包で3.75g、エキス分1.25g (カンゾウ3.0g、シャクヤク3.0g)を2回分服
カネボウ:
3包で4.5g、エキス分1.35g (カンゾウ3.0g、シャクヤク3.0g)を3回分服
クラシエ:
3包で1.5g、エキス分1.45g (カンゾウ3.0g、シャクヤク3.0g)を3回分服
コタロー:
3包で6.0g、エキス分2.5g (カンゾウ5.0g、シャクヤク5.0g)を3回分服
となっている。
通常は、これらを食前もしくは食間に内服する。ただし、実際は山で筋痙攣が起こったときに頓服することになるので、1包の中に入っている薬量が問題となる。
1包当たりに換算すると、ツムラはカンゾウ・シャクヤク各1.5gからの抽出エキス。カネボウとクラシエはカンゾウ・シャクヤク各1.0gからの抽出エキス。コタローは各1.7gからの抽出エキスということになり、メーカーによりかなり異なる。
ちなみに、病院から処方されるツムラ「芍薬甘草湯」は、1日量で、3包(7.5g)中に、カンゾウ・シャクヤク各6.0gから抽出されたエキス分2.5gが含まれる。1包に換算すると、カンゾウ・シャクヤク各2.0gからの抽出エキス。
********(ここまで、ただの計算なので読み飛ばし可)********
つまり、一包あたりの元の漢方薬が多い順にまとめると、
ツムラ(病院)2.0g>コタロー1.7g>ツムラ(市販)1.5g>カネボウ・クラシエ1.0g
じゃ、たくさん入っているものを飲めばいいのか。と言うとそうではない。
以下、私の実体験。
先日、アイスクライミングのお稽古で南八ヶ岳のジョーゴ沢に行った。当日早朝に入山し、赤岳鉱泉で装備を調えて出発。普段はほとんど足など痙らないのだが、ナイアガラ手前のルンゼを登っている辺りで、右の腿が少し硬くなってきた。同行してくれたお二人が超登れる方なので、念のためナイアガラの下での待ち時間に、病院処方のツムラ芍薬甘草湯を1包飲んだ。その前に、少しストレッチをして良くなっていたのだが、これで完璧!
ところが、ナイアガラを超えて休憩し、その後歩き始めた頃から急に足が重くなってきた。硫黄岳への詰めは、腿から腰下までのラッセル。同行のお二人が先行しラッセルしてくれたが、私は遅れるばかり。多少息は切れているものの、それ以上に脚が疲れて前に出ない。普段のバテとは違う気がしたがその時は分からなかった。前の日の睡眠不足か、単に自分の力不足か。こんなはずじゃないと思いっきり落ち込みながら硫黄の山頂にたどり着いた。
ところが、鉱泉に戻ってみると何でもない。夕食の時は、ビールを買うのに売店まで小走りで行った。階段の上り下りも問題なし。翌日は10時間近い行動だったが、それも普段通り(といっても、同行の二人よりはずっと遅い)に歩けた。
後になって考えたら、あのときの芍薬甘草湯が悪さをしたとしか思えない。
帰ってきてから薬の添付文書を調べてみた。漢方薬なのでその作用機序はよく理解できないが、副作用として「筋炎・横紋筋融解・脱力感・筋力低下」などの可能性が書かれていた。
単純に考えても、筋肉の痙攣を治める薬なのだから、効き過ぎれば筋力が低下しても不思議ではなさそうだ。
先日、ぎっくり腰になったときにも芍薬甘草湯を内服していたが、その時には何でもなかった。通常の日常生活では気付かない程度の筋力低下なのかも知れないし、その時の電解質バランスなどが関係しているのかも知れない。
いずれにしろ、「ちょっと足が痙りかけたから」と安易に飲むのは止めた方が良さそうだ。飲む場合も、カネボウ・クラシエあたりの量の少ないものを一包飲んで、どうしても効かないときに一包追加(あるいは、ツムラ(市販)を2/3飲んで効かなければ残りを飲む)にした方が無難かも知れない。
ちなみに、芍薬甘草湯の用法・用量の注意書きとして、「本剤の使用にあたっては、治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること」と書いてある
文:どくとる・てぃっぷる
よいどれ医者のよも山話し③ 『日焼け止め』
前回は、日焼けについて書いた。じゃ、山で日焼けしないにはどうしたらいいか。
一般的には、日傘やつばの広い帽子、長袖の衣服などが推奨されているが、登山道で日傘はさせない(そのうち、しゃれた日傘をさす山ガールが登場するだろうか)
手軽で頻用されているのが、サンスクリーン(日焼け止め)だ。
いいものは結構高いようで、顔専用の高級品を借りて腕にでも塗ろうものなら、キッと睨みつけられる。
サンスクリーンの成分には、主に2種類ある。
ひとつが、紫外線吸収剤。これは紫外線を吸収し、熱などのエネルギーに変換するように分子設計された有機化合物。UV-Bに効果があると言われているが、有機化合物なのでかぶれの原因にもなりやすい。
もうひとつが、紫外線散乱剤。サブミクロンからミクロンの粒子径の無機粉体で、紫外線を散乱・吸収する。塩化亜鉛や酸化チタンなどが用いられ、比較的かぶれを起こしにくいと言われている。
サンスクリーンの防御効果として、SPFやPAが書かれているが、いったいどういう基準だろうか。
SPF(sun protection factor)は、主にUV-Bに対する防御効果で、日焼けするまでの時間をどれくらい延長するかの数値である。つまり、皮膚に紫外線を当てたときに赤くなり始めるまでの量(最少紅斑量、MED)を何倍にするかということ。
日本人が真夏の海岸で直射日光に当たったときのMEDは約20分。SPF30のサンスクリーンを使えば、日焼けするまでに600分(10時間)かかるということだ。簡単な計算法として、SPFの値を3で割ると効果時間が分かる。
実際にそこまで長持ちしないのは、汗をかいたり、それを拭いたりという動作もあるが、塗っている量が足りないことも多いそうだ。
本来、サンスクリーンは2mg/cm2の密度で塗るのが理想だが、メーカーの調査によると、平均0.39mg/cm2しか塗られていないという。実際に、2mg/cm2で顔全体に塗り広げるためには、サンスクリーンを真珠球2個程度(0.6g)使う必要がある。
高級品を買っても、けちってしまっては身も蓋もない。
PA(protection grade of UVA)は、文字通りUV-Aに対する防御効果。UV-Aを大量に照射すると数分後に皮膚が黒く変色するのだが、それの予防効果を3段階で分類している。
一般の日常生活で、SPF10、PA+、屋外の軽いスポーツ・レジャーでSPF10-30、PA2+。
炎天下のレジャーやマリンスポーツでは、SPF30以上、PA2+~3+が推奨されている。
ちなみに、紫外線による慢性皮膚障害の、シミ・色素斑、深い皺などは、「その年齢までに受けた受光総量に比例し、障害は累積して非可逆的」と書かれている。
つまり、「とりかえしがつかない」ということ・・・
文:どくとる・てぃっぷる
よいどれ医者のよも山話し② 『紫外線と日焼け』
「今日も紫外線が強い一日です。日焼けに注意してください」というセリフが、テレビから頻回に聞こえてくる季節になった。
僕らが子供の頃は、夏休みに『黒ん○コンテスト』(いまは、この言葉は使ってはいけないらしい)というものがあって、みんながどれくらい黒く日焼けしているかを競い合った。自分は、もともと色白で焼けても赤くなって痛い思いをするだけで、すぐに白く戻ってしまう。悔しい思いをした。中学・高校と水泳部だったが、練習するプールは屋内プール。県や市の大会に出る度に、やはり痛い思いをしていた。まさか、水泳部の選手が大会に日焼け止めを塗って出るわけにはいかない。
最近は「日焼けをしない」ことがトレンドになってきたようだが、かつてのガングロ達はどうしているのだろうか。
そもそも、紫外線とはいったい何か。言わずとしれた、可視光線の紫よりもさらに波長の短い光(電磁波)だ。紫外線にもA、B、Cの三種類がある。このうち、紫外線C(UV-C)は、オゾン層などで吸収されてしまい地表には到達しない。地表に届く紫外線のうち、ガラスを通過するものをUV-A、通過しないものをUV-Bとしたそうだ。UV-BはUV-Aに比べて数百倍日焼けを起こす力が強い。ただ、実際に太陽光線に含まれる量は圧倒的にUV-Aの方が多いので、最終的に日焼けへの影響は、UV-A:UV-B=3:7~2:8と言われている。
さらに、UV-Aは皮膚の深い部分まで到達するので、DNAを損傷して皮膚癌を起こしやすいとも言われているので、注意が必要だ。
標高が上がれば、紫外線の量も多くなる。標高3000メートルでは、UV-Bは平地の5割増し、標高5000メートルになると7割増しになる。さらに、雪面では9割近くの紫外線が反射されるので、ゴールデンウィークの雪山などは、美白を目指す乙女には最悪のコンディションである。
日焼けをすると、その場所の皮膚の毛細血管が広がり、皮膚が赤く熱を持つ。それと同時に、様々な化学伝達物質がだされて、炎症がおこる。なかでも、皮膚の角化細胞がだすIL-6という伝達物質は、全身に広がり、だるさや悪心、時には38℃以上の発熱も起こす。不用意な日焼けは、その後の山行の行動にも影響を及ぼすので注意したい。
皮膚科の本を見たら、日本人の皮膚のタイプ分類が書いてあった。これは、生まれつきの紫外線に対する皮膚の感受性の違いだそうだ。
スキンタイプ1(JST1):すぐに赤くなるが、すぐに元の皮膚色に戻る
スキンタイプ2(JST2):そこそこ赤くなり、そこそこ色素沈着する
スキンタイプ3(JST3):あまり赤くならず、どんどん色がつき、なかなか消えない
タイプ3は、いわゆる地黒と呼ばれてる人達だろう。タイプ1とタイプ3の人では、赤くなり始めるまでの時間が2倍違うそうだ。
これで、子供のころ勝てなかった理由が分かった。
幼少のみぎりには、近所のおばさん達から、「なんて色が白いんでしょう。女の子にしたいくらいね」とよく言われたが、さすがに最近は誰もほめない。お肌の曲がり角をとうに過ぎて一往復しかかっているような、ひげ面のおやじが女装する姿は想像したくないのだろう。
文:どくとる・てぃっぷる
よいどれ医者のよも山話し① 『穴あけペットボトル』
以前、「山での擦り傷・切り傷は、きちんと洗って土や木葉などの汚れを落とすことが第一」と話したことがある。『山の道具』に出している救急セットにも、そのためのシリンジ(注射器)が入っている。
最近、「中高年の人が身近な里山歩きを始めるに当たってのアドバイスを」という取材を受けた。その時に、傷の処置方法のポイントも聞かれたのだが、3時間程度の里山歩きで大げさな救急セットを勧めても、返って、行く気になっていた人の気持ちを削ぐ事になりかねない。そこで思いついたのが、穴を開けたペットボトルのキャップ。
シリンジは、その気になって探してもなかなか手に入らないが、ペットボトルのキャップに穴を開けるくらいは誰でもできる。
普段は、普通のペットボトルに水を入れて持って歩き、いざ洗う必要が出たときに穴あきのキャップに取り替える。ぎゅっとボトルを握れば、そこそこの勢いで水が出る。これなら怪我をしたときだけでなく、お弁当を食べるときに汚れた手を洗うなど、ちょっとした簡易水道にもなって便利。
しばらくして、取材の結果が記事になった。ちょっと自慢したくて、なじみの居酒屋の板さんにコピーを見せた。
「なんだ、これ、おれがポン酢を入れているのと同じじゃないか」と言われた。
確かに。板さんはいつも、自分で酢橘や柑橘類を搾りポン酢を手作りしている。作った当初は発砲して内圧が上がるので、入れてあるペットボトルのキャップに穴を開けているのだ。おまけに、料理にかけるときは、そのキャップの穴からジャージャーかけている。
まったく自分のオリジナル、と思っていたが、もしかして・・・ 文:どくとる・てぃっぷる
Q:よいどれ医者のよも山話(四方山話)というシリーズをお願いしたいのですが?
A:現在の案としては、以下を考えています。月に一話しくらいずつ載せていければいいのですが・・・
①穴あきペットボトル
②山での体温計…救急用具として持って行くかどうかは別として、もし持って行くならお勧めは
③芍薬甘草湯について…一般の薬局で市販されていますが、病院から処方されるものとは、内容量が違うという話し
を考えています。(by よいどれ医者)
4-1 エラスコット膝の基本的な巻き方 2010.5/19
初心者が下りで膝が痛くなったときや、もともと膝が痛くなりやすい人へのサポートとして。 市販のサポーター程度の補助にはなると思います。
いずれの巻き方でも、休憩毎(30分~1時間)に
必ず末梢の循環・知覚を確認すること。
足先が赤紫色になってきたり、しびれた感じがあ
るときは、一度ゆるめてから巻き直す。
お皿(膝蓋骨)の下端に包帯の上端がかかるくらい
の位置から巻き始める。
巻き始めは、同じ場所に2回(2重に)巻くとずれに
くいです。
包帯の幅の2分の1くらいが重なるようにしながら巻
き上げていく。
包帯の下端がお皿の上端にかかるくらいまでいっ
たら、同じ場所で2回(2重に)巻いて逆にもどる。
あまりきつく巻きすぎると、末梢の循環を悪くするので
注意が必要です。
市販のサポーターと同じ程度の絞め具合になるように
あらかじめ自分の足で何回か練習しておくと良い。
4-2 エラスコット膝の巻き方その2 2010.5/19
より強固に膝をサポートしたい場合
膝をひねったり、ぶつけたりして痛みが強いが、なん
とか自分で歩かなくてはいけないときなど(本来は歩
くべきではないです)。
この場合も、末梢(巻いた部位から先端)の
循環や感覚に注意する。
色が変わったり腫脹してくる、しびれた感じが
あるときは、一度ほどいて巻き直したり、歩行
するのをやめる。
小さめのバスタオルを縦に二つ折り、もしくはスポーツ
タオルを膝に巻き付ける。
膝の基本の巻き方と同じに、タオルの上からエラスコットを巻く。
4-3 エラスコット足首の巻き方 2010.5/19
軽い捻挫のときなど、足首の安定性を増す方法 巻き方の強さや、巻いたあとの注意点は、「膝の基本的な巻き方」に同じです。
足の甲(足背)の部分から巻き始める。膝と同じように、最初は同じ場所を2回巻くとずれにくい。
足首の前を通り上方に巻く。
くるぶしの上方で同じ場所を2回巻いたら、
また、足首の前を通って足の甲にもどるそのあとは、足の甲とくるぶしの上方をそれぞれ一回
くらい巻きながら繰り返す。
これでできあがり。
Q:バンドエイドを何種類か持って山に行ってますが、写真にある何種類かの絆創膏の用途と、どれを持って行かば良いか?優先順位があったら教えて下さい。
A:@基本的には、お気に入りの絆創膏を持っていればいいと思うし、ガーゼとテープでの固定でも十分対応が出来るでしょう。ただ、手早く簡単に処置するという意味ではあった方が便利でしょうし、「山」という環境下ではそれも重要になります。
世間には、防水性を売りにしたり、「水分は通さないが水蒸気は通します」などと、ゴアテックスもどきのことを書いてある絆創膏もあります。
今回の基本セットの中では、キズパワーパッドやデュオアクティブETがそれ(防水)に当たります。
@近年、『閉鎖湿潤療法』なるものが創傷治療の世界ではもてはやされていて、数年前には、松本の病院の先生が「ためしてガッテン」にも出て宣伝していました。が、すべての傷に万能の治療法ではありません。逆に、ひとつ間違えばより重症にしてしまう可能性があります。外から水を入れないということは、中に溜まった水も出さないということで、ひとたび感染を起こしたときには、膿をため込んで急激に症状が悪化します(傷の回りが赤く腫れ上がり高熱が出る)
@山で使う場合は、靴擦れやまめの水疱が破れそうなときに保護したり、極浅い皮むけなどに使うのがよいでしょう。通常の擦り傷などに使うときは、良く洗浄・消毒したあとに貼り、一日に数回取り替えるくらいの慎重さが必要です。
@写真には、いろいろな種類や大きさの絆創膏がでていますが、すべてを買いそろえる必要はないでしょう。大きな病院の売店や周囲の薬局をのぞくと、一枚ずつバラ売りをしていることがあります。多少割高になりますが、いつ使うか分からないものですので、少ない枚数を買うのがいいでしょう。
@ちなみに、キズパワーパッドとデュオアクティブETはほぼ同等品ですが、デュオアクティブの方が好きな形に切って使えるのでお勧めです。一般の薬局では手に入りにくいですが、前述の病院近くの薬局などには置いてあります。(by
よいどれ医者)
Q:消毒液はどのようなものが良いですか?
A:@一般的に売っているものの中では、写真(ホームページの山道具のページの基本救急セットの項)に出した「お弁当のおしぼりタイプ」のものが比較的使いやすいと思います。『清浄綿』の中味は、一般に病院で使っている消毒液(グルコン酸クロルヘキシジン)と同じです。液状のものを別の容器に移す場合は、汚染の可能性や有効期限の問題、取り違えの可能性があるので十分に注意してください。
@では、消毒は必要か?
最近の創傷治療の教科書では、「消毒は必要ない。生理食塩水などで洗浄するだけで十分」と書かれているものもあり、「消毒は創部の細胞も殺すので罪悪である!」と主張する人もいます。確かに、病院できちんと洗浄をしてその後の処置をすれば、必ずしも消毒は必要ないでしょう。しかし、それが山の中だったら
・・・ 病院を受診するまでに数時間、あるいは一日以上かかることもあります。また、状況が悪ければ治療に十分な時間を割けないこともあります。
@で、山やの私としては、
水筒の水で簡単に洗浄 + 消毒
をお勧めします。洗浄の目的は、土や砂などの異物を除去すること。見た目にきれいにすることが大切です。下の項にある注射器の使用が便利です。
@最後のとどめに消毒をします。
このとき浸みますので、「はい、ちょっと浸みますよ。痛いけど頑張ってくださいね」と、人が辛いのをよそ目に笑顔を作れると、本当の看護婦さんっぽいです。(by
よいどれ医者)
Q:基本救急セットにある注射器はどのように使うのですか?
A:貴重な水を有効に使うために、写真(ホームページの山道具のページの基本救急セットの項)にある注射器がおすすめです。都会に住んでいる人なら東急ハンズなどで手にはいるでしょう。そのまま、ちょろちょろと水をかけながらガーゼなどで拭ってもいいですし、出口を指で押さえながら水鉄砲のように勢いよく水をかけて吹き飛ばすのもいいです。(by よいどれ医者)