◆着用するもの
<参考>
ストックについて
登山靴リフレッシュ
3シーズン登山靴
靴底の張り替えのタイミング
簡易スパッツとポリウレタングローブ ライクラゴムの活用 デジタルカメラストラップの工夫
ヘルメットのザック装着方法考察
登山靴のメンテナンス
ストックのメンテナンス
ウエストベルトにギアラックをつける方法
テムレスグローブ
インナーソックス
アプロ-チシュ-ズ用スパッツ
中間サイズ スパッツ
登山靴周囲ひび割れ対策
◆ザックの中に入れるもの
<参考> 洗濯ネットの活用
シリコンスプレーの活用
ゴア雨具のメンテナンス
羽毛製品の洗濯
ダクトテープの応用
ロープ巻き方他
◆ザックの雨蓋に入れるもの
<参考>
小物整理方法(見える化)
行動食用便利袋
ヘッドランプのメンテナンス
◆テント泊のときに加えるもの
◆岩登りのときに加えるもの
<参考>
ジャムとテーピング
ロープのマーキング
最新の小型カラビナ
ハーネス(シットタイプ)レッグループ調整バンドのメンテ
自転車バスケットネット流用/ヘルメットホルダー
クライミングシューズの箱の注意書
プレクリップ補助具
◆沢登りのときに加えるもの
◆雪山ハイキングのときに加えるもの
◆雪山登山のときに加えるもの
<参考>
長すぎるアイゼンバンドの末端処理
アイゼンバンドを交換して留めやすく
アイゼンについて
アイゼンと山靴の足の負担について
雪山行動食用便利袋
冬山 手袋の組み合わせ
雪山 ビニール袋の活用
雪山用具の工夫1
雪山用具の工夫2
靴底スパイク
プラスチックかんじき
簡易スノーショベル
アイゼンと登山靴とのフィッティング
ネオプレン製靴下
ワンタッチアイゼンをセミワンタッチに使う方法
ピッケル用手首バンド
シリコンスプレーの活用
シリコンスプレーによるメンテナンス
ブーツカバー
雪山用ジャケット 手袋 他
アイゼンのメンテナンス
アイゼンを長く使う
スパッツ-ズボン等調節コ-ド処理方法
バンドで固定したスノーシューMSR
冬山用手袋
アイゼン フィッティング
自己融着テープの活用
貼るカイロと腹巻
ピッケルプロテクタ-
手袋を左右違って使う
靴袋をオーバーシューズに
◆アイスクライミングのときに加えるもの
ヘルメット、スパッツ、サングラス、ヤッケとオーバーズボン、目出帽子、 オーバー手袋、毛糸手袋、アイスクライミング用アイゼン(アイゼン調節用工具)、アイススクリュー、
アイススクリュープロテクター、アイスハーケン、アイススクリュー用の雪抜き棒、ロックハーケン、 カラビナ、アイスバイル、アイス用ピッケル、スコップ、ビーコン、ゾンデ、テルモス(魔法瓶)、
ハーネス、スリング、フイフイ、日焼け止めクリーム、ロープ(エバードライ加工してあるもの)、 確保器(エイト環)、アイスアックスの研ぎ
<参考>
軽量ハンマーヘッド
軽量アックス
アックスツール
雪山行動食用便利袋
アイスクライミング用具の工夫
アイスクライミング用具の工夫2
新型クランポン
冬山装備 クランポン
アックスバンド他
アイススクリュープロテクター
ライセス社のシリウスグローブ
アイススクリュー,刃先研ぎ
アイスアックス,アイゼン,刃研ぎ固定板 他
フィフィの活用とギアラック
アイスクライミング リ-ドの練習
トレーニング用アックス
アイスアックスピックの交換
眼鏡の保護
アイゼン アンチスノー自作
自己融着テ-プの活用
アイススクリュー収納袋
アイススクリュー持ち運び
◆冬期登攀のときに加えるもの
ヘルメット、スパッツ、サングラス、ヤッケとオーバーズボン、目出帽子、オーバー手袋、
毛糸手袋、薄手毛糸手袋、薄手毛糸手袋の替え(3~4枚湿って濡れて来る前にどんどん替える)、毛糸手袋予備、
アイゼン(アイゼン調節用工具))、ハーケン、アイスハーケン(スナーグとイボイノシシ)、カラビナ、アイスバイル、
登攀用ピッケル、スコップ、ビーコン、ゾンデ、テルモス(魔法瓶)、ハーネス、スリング、日焼け止めクリーム、
スノーバー、デッドマン、ロープ(厳冬期はエバードライ加工してあるもの)、確保器(エイト環)
◆山スキーのときに加えるもの
スパッツ、スキー、流れ止め、ビンデイング(ビンデイング調節用工具)、
スキーケース、ストック、シール、山スキー兼用靴、ワックス、サングラス、ヤッケとオーバーズボン、
雪山用帽子、目出帽子、オーバー手袋、毛糸手袋、毛糸手袋予備、スコップ、ビーコン、ゾンデ、赤布、
しの竹、テルモス(魔法瓶)、日焼け止めクリーム
★松浦寿治講師のアドバイスfor 山道具
ズボン ・・・昔は厚手のウールのニッカボッカを愛用していたのですが、夏は暑いし、膝から下の靴下がずり落ちてくるし、 いかにも古い山ヤさんという感じでファッショナブルでないんです。現在は化繊かウールの登山用の長ズボンをはいています。 泊を伴う山行の場合は眠りやすいように少しサイズを大きめにします。冬は膝下までの短いアンダータイツを追加して、 年間を通して使っています。衣類全般に言えることですが、濡れた時のことを考えて綿が入っていない素材で出来たものにしましょう。
シャツ ・・・登山用品店で売っていた化繊のラグビージャージを愛用していたのですが、 2009年の現在は商品棚にほとんどみかけなくなってしまいました。ラグビージャージのように、 丈夫で、襟がついていて、長袖で、袖口が絞ってあって、軽くて運動しやすく、 アクリルなどの化繊で出来ているシャツが登山用品店で売っているのでそれを購入して下さい。 スリング肩にかけたり肩がらみでビレーしたりするなどの理由から襟があるものが良いです(Tシャツのタイプは首の所を傷めやすい)。 暑い時に腕をたくしあげやすいように袖口が絞ってあるタイプが使いやすいです。 すぐ上のズボンの項でも書きましたが、綿は濡れると水をたっぷり含んでなかなか乾きません。それで、夜になったりすると、 すごく寒くて大変困ったことになります。綿を避けて、化繊かウールのシャツにしましょう。 ただし盛夏の炎天下の登山の場合は綿のテニス用のシャツ(これは涼しいスグレモノ)にして、その日の行程を終えたら着替えるのが良いです。
山靴
・・・歩くことイクオール登山といっても過言でないくらい山では歩きます。ですから、歩くための用具である山靴は最も重要な用具なのです。
ちょっと値段も高いので、失敗しないように買いたい所ですがなかなか自分の足に合った靴が見つけられず、買っても使わない靴をいくつも持ってしまうのが現状です。
ヒンシュクを買いそうな発言ですが、一つや二つは失敗してもともとと考えておくべきです。
それから、靴を買うときは、お店の中でなるべく長く試し履き(試し歩き)させてもらいましょう。
他の装備購入を最低限におさえて、まずは、自分の足に合う靴探しにチャレンジしましょう。
沢登りシューズ、
軽登山靴、
重登山靴、
クライミングシューズ、
サンダル、
ほどけない靴紐の結び方、
*沢登りシューズ :
いわゆる「沢ヤ」さんは釣り用具店で売っている渓流足袋というのを愛用しています。 草つきの処理なんかに抜群の威力を発揮するそうです。Timtamの人はズックの靴にフエルト底を張った渓流シューズを使う人が多いです。
どちらも濡れた岩にフリクションを聞かせて立つのに有効な靴です。2012年の現在、 アクアステルスラバーなどと言う滑らないゴム底の沢登りシューズを使う人が増えてきて、少しずつ事情が変わってきています。
手頃で安価な沢靴として、
革新的なアイデアは「厨房用の作業靴」を沢靴として使うというものです。
松浦は進められるままには日進ゴム株式会社の
ハイパーV#003(2024年現在は#005にアップグレード)を使ってみましたが、なかなか良い感じでした。
*日進ゴムの通信販売よりも、楽天市場
とかヤフーショッピング
で購入する方がなぜか安いようです。ビバホームやセブンホームセンターでも売っています(2013年7月現在)。
*安価(3,000円ぐらい)なのがうれしいです。フエルト底の靴のように靴底の減りを気にしたり。
張り替えメンテナンスなんて考えないで完全に使い切ってしまえます。下山用の替登山靴を持たないで沢に入ることが苦にならないのです。
(替靴の分を軽量化出来ます)。
*ローカット(くるぶしより下)なので水抜けが良いのです。ローカットの欠点は小石などが入りやすいことです。
気になる場合はショートスパッツと併用するのが良いでしょう。ショートスパッツの上に渓流用のスパッツを重ねれば万全です(最近はスパッツと言わずにゲイターと呼ぶ人が多いです)。
*サイズですが、普通の靴で26.5cmの松浦が26.5cmのハイパーV#003を購入して、厚手の毛糸の靴下を履いて使用してちょうどよいものでした。
23cmの人が23cmのハイパーVを使った場合も厚手の靴下でちょうど良いとの報告を聞いています。
*2013.9/2 奥多摩の茂窪谷で使用しました。
濡れた岩のグリップ力は、コケの生えた岩およびスモーク光沢のある岩はフエルト靴より良好でした。水の上から出るか出ないかの場所にあって、
鏡のように滑らかでテラテラ光沢のある岩はフエルト靴より滑りました。
*2013.9/9 西丹沢の悪沢で使用しました。西丹沢の白い花崗岩のグリップ力は最高に良かったです。
*2013.9/15~9/16 上州武尊・川場谷に使用しました。1日目幕営場整地を含んで7時間行動、2日目は笹藪こぎ50分と登山道下山含めて9時間行動でした。
ハイパーV#300の耐久性には問題はありませんでした。
しかし、川場谷は全体に(水量の少なくなった上流部は特に)上の茂窪谷の項で記したテラテラ光沢のある岩が頻繁に出てくるので、
足を置く位置を慎重に選ぶことが多くなりました。行程の長い沢になると無造作に足の置けるフエルト底の靴よりも疲れると考えられます。
ハイパーV300の使用は日帰りの1~2級程度の沢までの利用にとどめるのが良いでしょう。
*2012.10/30日和田山の岩場ゲレンデ行で、高麗駅~岩トレ~高麗駅の8時間履きっぱなしで使用しました。
アルパイン系のルートは大変調子よいです(ステミングフェース5.7も楽勝)。岩場用アプローチシューズの代わりとして十分使用出来ます。
*2013.8/25奥多摩・坊主谷で使用した後にドロがついたまま直射日光が当たる所に数時間にわたり放置てしまいました。
次に使おうと思ったらつま先の部分が縮んでしまいました。使用後は水道水で洗い、陰干しして下さい。
*つま先に「樹脂先芯」が入ったローカットのハイパーV#2000も良さそうです。
「樹脂先芯」の形状がもし足の形に合わなかった場合はいくら長く履いても靴が足の形になじむことがないので、
ハイパーV#2000の場合はネット通販で買うのでなくて、作業用品店で試し履きしてから購入するのが良いでしょう。
*松浦はまだ試していませんが、ハイカットのハイパーV#970AGGも良さそうです。
前記の「樹脂先芯」入です。靴紐で縛るのでなくてマジックテープで閉じる方式なので藪こぎに弱いかも知れません。
手頃で安価な沢靴の別アイデアにフェルト底の地下足袋
(送料含め4,000円くらい)があります(関連記事をごらん下さい)。
倉敷の株式会社丸五が生産し、札幌の秀岳荘が販売しています。
こちらも楽天市場とかで購入出来るようです。
*「沢には地下足袋」派の方にはベストマッチであると思われます。強いて難点を挙げれば、長時間重い荷物で歩くようなとき、
少しフェルトの厚さが不足しているように思います。
*1回使用してフェルトは右の写真のような具合です。滑りそうなところでも安定感があります。
剛性がないので靴床の摩擦(フリクション)を利用した登り方を重視して下さい。
長所→携行し易い ペタペタ感覚 そこそこ使える 安価
短所→剛性がない 張り替えできない 地下足袋なれしてないと歩きずらい
*普段靴は25cmですので、サイズ 25.5cmを購入した所、やや大きいです。
*足袋タイプの厚手ウール(orアクリル等)の靴下が必要になります。直近には1年ほど前に御茶ノ水ICIで求めました。
先月千葉のコージツで探したところ見つかりませんでした。他にネオプレン製の足袋の形をした靴下(プロモンテ先割れウェットソックス)があり通販で購入しました
(こちらも楽天市場あたりが利用出来そう)。
*軽登山靴:
@ワンタッチアイゼンのつく高級モデルもありますが、アッパーがズック+皮(orオール皮)で出来た一般的なものが良いと思います。
値段も手頃だし、足に早くなじみます。捻挫を防ぐためにも、足首の隠れるブーツタイプが良いです。
@厳冬期の雪の山でも森林限界を超えない所までは大丈夫です。マイナス20度なんていう寒い所にスノーシューハイキング行く場合は
オーバーシューズを併用します。オーバーシューズはモンベル社でテレマークスキー用の物を作っていますが高価(1万5千円以上)です。
靴の片足が入る大きさのスタッフバックを利用して、これを履いてからスノーシューやスキーを履くといいです。
*重登山靴:
@1970年代あたりにデザインが確立された、手縫いのビブラム底・裏出し皮製の重登山靴
は職人の心意気を感じる味わい深いものでした。しかし、次第に大量生産のプラスチックブーツが増加し、
希少価値に甘えたのでしょうか、性能の向上が遅れてしまったように思います。
@それで、2004年の冬シーズンまでは、
ワンタッチアイゼンと相性が悪い、足が冷たくなりやすい、重いなどの理由で、皮製よりもプラスチックブーツを勧めてきました。
プラッスチックブーツは暖かい、軽い、アイゼンがはずれにくい、防水性が高い、メンテナンスが楽などの利点があります。反対に、寿命が数年、
足になじまない靴はいつまでもなじまない、ロボットの足みたいで恰好が悪い、発汗しないなどの欠点もあります。
@2004年あたりからソフトブーツという皮製登山靴風モデルが次々と出現するようになりました(アウターに皮と科学繊維を組み合わせ、
中間にシンサレートやゴアテックスを使いケミカルコーティングして底を圧着したもの)。改良が進み今後の主流となっていくでしょう。
軽くて暖かくて透湿性があって、皮のやわらかみがある感じなのにワンタッチアイゼンがついてアイスクライミングに使えて、いい感じです。
@2005年現在の私の場合、前記の軽登山靴で千五百メートル以下程度の雪山までこなし。ニ千五百メートル前後の雪山、アイスクライミング、山スキー、
冬期登攀などにはプラスチックブーツを使うようにしています。それで、ソフトブーツをそろそろ手に入れようと思っています。
*クライミングシューズ :5.11なんてルートを目指すわけではないのに、お店ではものすごくきつい靴を勧められます。登山のための岩登りだったら、足が痛くなりにくいマルチピッチ用のクライミングシューズがお勧めです{スカルパのマエストロミッド(カラファテオンラインストア)やスポルティバのTCプロ(カラファテオンラインストア)など}。フリークライミングの場合はクライミングシューズは足の指を曲げて履きます。 しかし、Ⅲ級~Ⅵ級の岩ならば、そんなふうに足の指を使わなくても登れます。「岩登りの本番ルートで長時間の登り下りのある所に行くので、
緩いサイズのを出してください。」と勇気を出してお店の人に言いましょう。と言うか、初めてクライミングシューズを買いに行く方は、小さい靴を売られてしまう可能性が高いので、お店の人相談しないと決めて行くのがベターかもしれません。お店の人に言いずらくて負けちゃいそうな場合はTimtamの岩登り講習会に来て
無料レンタルのクライミングシューズを借りて自分に合うサイズを記憶、サイズだけ言って靴を出してもらいましょう (「初心者です」とは言わないこと)。きついクライミングシューズはフリークライミングに取り組むことにした場合に揃えましょう。しかしながら、
28cm以上の足サイズの靴はあまり売っていないので、女性用の大きな靴は揃えやすいが男性用のそれは手に入れにくいです。クライミングシューズに限らず、全ての山用具は「初心者です」と言って買わないようにしたいです(何を買うべきかわかってから買う)。
街で履いている靴のサイズ | 1日中履いていられて、かなりの距離を歩くことも出来る クライミングシューズのサイズ(USサイズ) |
~23cm | 24.5cm(US 5と1/2) |
23.0~23.5cm | 25.0cm(US 6と1/2) |
23.5~24.0cm | 25.5cm(US 7 ) |
24.0~25.0cm | 26.0cm(US 8 ) |
25.0~26.0cm | 27.0cm(US 9と1/2) |
26.0~26.5cm | 28.0cm(US10と1/2) |
26.5~27.0cm | 28.5cm(US11と1/2) |
27.0~ cm | 30.0cm(US 13 ) |
お店で自分の足のサイズを26.5cmと言うとUSサイズの9なんてのを勧められます(それでこれでもやや大きめのサイズですと話してくれます” 初心者には大きめを勧める”)。岩登り本番ルート(アルパインクライミング)に使うならワンサイズとかツーサイズ大きいUS10 と1/2とか11あたりでないと足の指が伸びた状態で靴が履けません。 反対にフリークライミングで使うならお店の人の出してくれるサイズよりハーフサイズ小さいUS8と1/2といった所が良いでしょう。 女性の方で23.5cmの足のサイズの方の場合はお店ではUSサイズの4と1/2あたりを勧められますからフリー用ならそれでOK、 アルパイン用ならUS6と1/2とか7あたりが良いでしょう。
靴のサイズ表示整合表(フリークライミング用)
普段靴mm | クライミング靴 | クライミング靴 | クライミング靴 |
220 - 224 | US3.0 | UK2.0 | EU34.5 |
225 - 230 | 3.5 | 2.5 | 35 |
231 - 234 | 4.0 | 3.0 | 35.5 |
235 - 240 | 4.5 | 3.5 | 36 |
241 - 245 | 5.0 | 4.0 | 36.1 |
246 - 250 | 5.5 | 4.5 | 37 |
251 - 254 | 6 | 5 | 38 |
255 - 258 | 6.5 | 5.5 | 38.5 |
259 - 263 | 7 | 6 | 39 |
264 - 269 | 7.5 | 6.5 | 40 |
270 - 274 | 8 | 7 | 41 |
275 - 278 | 8.5 | 7.5 | 41.5 |
279 - 282 | 9 | 8 | 42 |
283 - 286 | 9.5 | 8.5 | 42.5 |
287 - 290 | 10 | 9 | 43 |
291 - 294 | 10.5 | 9.5 | 44 |
295 - 298 | 11 | 10 | 44.5 |
299 - 303 | 11.5 | 10.5 | 45 |
304 - 310 | 12 | 11 | 46 |
311 - 316 | 13 | 12 | 47 |
317 - 323 | US 14 | UK 13 | EU 48 |
*サンダル:山の行き帰りとか、テント場とかでサンダルをはいている人を見かけます。
いくら歩きに秀い出ても、人には油断がつきものです。石を蹴ったり、くじいたり・・・ちょっとしたことで半年くらい山に行けなくなる可能性が大です。
格好でもめんどうでも、山には山靴で行くようにしてほしいです。
*ほどけない靴紐の結び方
(靴紐ではわかりにくいので太めのロープの写真で解説します)。
靴下
・・・山靴と靴下はペアと考えましょう。自分の足に完璧に靴をあわせることは出来ないわけですから、
ややあわない部分を靴下の厚みによって調整します。痛いとか当たるとか思ったら靴下の厚みを変えたり二枚以上重ねたりすると解消されることが多いです。
初めての靴をはく時には、薄い順に、ナイロンストッキング(ソックス状の物)、ナイロンのソックス(サラリーマンが履く黒っぽいやつ)、
登山用の毛の靴下(薄、厚、ごく厚)、微調整用にテーピングテープを持って靴慣らし山行に出かけます(街の衣料品店でなくて登山用品店で買った靴下にすること)。
まずは登山用毛の靴下厚一枚のみ(これが基本)で靴を履いて歩いてみましょう。それであわないときは、
調子の良い靴下の組み合わせをみつけるべくいろいろやってみます。それでも当たるようなら、購入店に行って靴の一部を伸ばして当たりにくいようにしてもらいます。
それでダメなら、集会に持って行って誰かにゆずります。
下着 ・・・若いころは、素材としての綿を避けて、お爺父さんのラクダのシャツや古いセーターを下着変わりにしたんです。 今は登山用品店に行けばクロロファイバーとかオーロンの化繊の登山専用の下着が安く手に入ります。濡れても寒くないし、すぐ乾くし、 これはもうほんとに優れものです。化繊が肌にあわない人はウールや絹の下着にします。パンツは綿でシャツは化繊という組み合わせもなかなか良いです。 ぼくの場合、下着は半袖のクロロファイバーのシャツとウール(夏は綿)のパンツです。その上にウールのズボンとアクリルのラグビージャージを着ます。厳冬期でも、膝下までの長めのズボン下(素材はクロロファイバーかウール)を追加するだけです。長袖や長いモモヒキは体温調節がしづらいし、 動きづらいからです。反対に長袖とモモヒキは非常用の衣類として使っています(小さくパッキング出来て便利です)。
ザック ・・・45リットルくらいのザックで日帰りから2泊のテント山行まで何でも一つでこなしています。 毎週のように山に行く私は、 山から帰って、使った用具や衣類のメンテナンスが終わったら、そのザックにいつも使う、基本的な用具を入れておくようにしています。 そうすると、大きな忘れ物(ちゃんとリストを作ってパッキングしてもときどきポカミスをするもんです)がけっこう防げます。 数泊する大きな合宿山行ではさすがに70リットルくらいのを出しきて使います。私は肩幅が広いので小さなサイズのザックが背負いつらいのですが、 その反対の人もいるでしょう。女性用、男性用、大きい人用、小さい人用、様々なサイズのザックが最新の人間工学に基づいて作られています。 メーカーのサイズや用途の指示に従って購入するのが無難です。Timtamの山行で使うなら、 ピッケルとかワカンとかが取り付けられるバンドが横についている物が良いです。 ゴテゴテといろんな機能がついていても使いきれないし重たいザックになってしまいます。サイドポケット(タッシュ)はあるととても便利なのですが、 電車の網棚に乗せづらいのが欠点です。ザックの底には軽い物を上に行くに従って重い物をつめて行けばいいです。 それだけで、けっこう背負いやすくパッキング出来てしまいます。
高度計 ・・・今はスーパーマーケットでも高度計つきの時計が手に入ります。50歳を過ぎて、 私は、デジタル表示の小さな文字盤が見えにくくなってきました。スントやカシオというメーカーから文字盤が大きくて見やすいやつが出ています。 沢登りで、高度計は威力を発揮します。沢筋の線と、高度の線をクロスさせて、かなりピンポイントで現在位置を地図上に読み取れるからです。 器械が正しくても使用者が現在位置を誤認することはよくあることです。確実な目印(ピーク、送電線、顕著な沢の出合いなど)で位置確認出来るまでは、 ここだと断定しないようにしましょう。
ナイフ ・・・私はナイフ一つで何も附属に付いてないやつを2mmくらいの細い径(太いと首つりになって危険)のひもをつかって首から、 いつも、吊しています(ナイフやスプーンが附属に付いてるやつは重いのでパスです)。それで、ジャガイモの皮むきなんて調理にも使いますが、 なんといってもテント内火災の時とか、メインロープにスリングがからんでニッチモサッチモいかないなんていう非常事態に備えているのです。 ナイフに加えて磁石と老眼鏡を三点セットにして首からつるしています。
磁石 ・・・最近はシルバ(森という意味)コンパスを使っています。コンパスの針のゆれを即座に止める油が封じ込めてあるんだそうです。 その油が企業秘密で、それで値段が高いんだそうです。 磁石と地図(←地図と磁石の使い方の記載があります)はセットで持ちます。
コンタクトレンズ
・・・@吹雪の時、沢登りの時、雨の時、風の時、スキーをする時、メガネは曇ってしまって視界が激減します。
メガネの曇り止め薬とかゴーグルとかは2005年の現在でも山で役に立つほどに進歩していません。お金と手間がかかるけどコンタクトレンズを使うのが
(コンタクトで体に拒否反応が起きる場合は不可)いいみたいです。
@コンタクトを山でなくす場面に多く出会いました。山でコンタクトを目に入れる時、そしてはずす時、それから入れ直す時、
とにかく慌てないでゆっくりやって下さい。コンタクトをなくした場合の予備を持って下さい。コンタクトをしないですむ目を持っている人はいずれは我が身
(老眼で地図が読めなくなる時が来る)なんだからコンタクトをつけるのに協力して下さい。
@読者の方でコンタクトについて良い工夫をお持ちの方がいらしたら「掲示板」に書いて皆に知らせて下さい。
Re・・・山でのコンタクトレンズの使用感 ナイトウ 2006/08/09
自分はいつも1週間連続装用使い捨てタイプを使用していました。薄く寝る間も外さなくてよく手入れ不要な所もよかったのですが発売終了に。確かに眼にはよくなさそうです。ワンデータイプに乗り換えるつもりです。
その発売終了のコンタクトでですが、行動中に問題になるようなことはありませんでした。気温-23℃でも凍りませんでしたし、行動中は違和感や乾燥といったこともなかったです。
問題は夜寝るときで、夜中や朝、乾燥して外れることがけっこうありました。高度のある北アルプスでは毎朝ほぼ確実に外れていました。これを付け直すのが一苦労。穂高岳山荘のテント場でそれが起こり、夜中に小屋のトイレまで出向くハメに(鏡があるから)。外は雨だしテント場はけっこう危ないところにあって、片目視力を失った状態でヘッドランプの明かりを頼りに行動するのは距離感がつかめず怖かったです。またトイレといっても水は出ないし明かりはないし、相当難渋しました。そして汚れているせいか痛かった。
また替えのコンタクトは氷点下の環境では当然凍ります。一度凍ったレンズが安全に使える保証はないようです。ストレスがかかって破れてしまう可能性もあるかと。一応今のところそんなことは起こっていませんが。
しかしコンタクトにはそれなりの利点があります。個人的にはメガネだと下りの足下が見えたり見えなかったりするのが非常に怖いです。顔を向ければ見えるのですが、瞬間的な視野の狭さはどうしようもありません。また曇らない、凍りつかない、邪魔にならないという点では、メガネの比ではない快適さだと思います。
以下、<コンタクトで山に行くときの問題>と<私なりの対策>をまとめておきます。
◆外している間(外れてしまったとき)とても無防備になる
シラフの中やザック上蓋に眼鏡を常備する。
◆付け外し時の衛生条件が最悪
炎症などのトラブルは避けたいもの。
しかし水も自由にならずあっても汲み置き雨水だったりする。
最低指先を洗える量の清潔な水とガーゼなど(手拭用)を持つ。
(現在は使いきりタイプの目薬で指と目の周辺と目を洗浄している)
◆軽量化の掟に反して鏡を持つ
鏡なしで入れる練習はすべきだが失敗時のロスはけっこう大きい。
なんとなく映る程度の代用品だと厳しい場面では役に立たない。
小さく軽くしっかり映る鏡を模索中。
メガネ
・・・友人の工藤氏がメガネについてのアドバイスを2000年11月2日付けで発言しているので、それを転記します。
@メガネとの付き合いも数十年。普段は顔の一部のようになっているメガネも山ではしばしば不便を感じる。工夫と言っても画期的なものは中々ない。目新しいものではないが、メガネをかけた山登り初心者の方の参考までに自分のやっている方法を少しまとめてみた。
1.メガネバンド。これはロープや岩角、薮などでメガネがずれたり、外れてしまうのを防ぐのにはとても有効。
2.雨や滝の飛まつでレンズが濡れて視界が悪くなる。これには、まめに拭くしか手がない。曇り止めは、少しは役に立つ?
3.雪山-吹雪などでレンズが凍る。これは最悪。ひどくなければ拭く。更にひどければ、メガネをはずすしかない。
4.雪盲対策。メガネは紫外線カットになっているので、裸眼の人より雪目になりにくい。わたしは、晴山用に色の変わる度付きのサングラスを使用している。
5.最近は、山のときだけ使い捨てコンタクトレンズを使用している人もいる。中々良いとのことだがわたしは使ったことがないのでコメントできない。
@先日日の机上講習の時、冬山でゴーグルは必要かとの質問がありました。
ゴーグルは、スキーで滑走する場合はとても威力を発揮します。しかし、歩きの場合、経験的にはほとんど使い物にならないといえます。スキーのようにある程度のスピードで移動するのであれば曇りませんが、歩きのスピードでは自分の汗などで曇ってしまいます。日ざしから目を守るには、最近メガネの上からかけられるサングラスなども売られています。度付きサングラスでなくてもそれで十分に対応できます。金額も安くつきます。
老眼鏡
・・・@近視などでメガネを若いころからかけてない人ほど目を大切にしないので、早く(40歳を過ぎるころから)老眼になるんだそうです。
そういうタイプの人はメガネをかける習慣が出来てなくて、せっかく買った遠近両用眼鏡を忘れたり、無くしたり、壊したり、始めから使わなかったりで、
山に行って夕方になり暗くなってきたら、地図が読めずにビバークなんてことになってしまうのです。
@子供用の文房具の店で虫めがねを買い紐をつけて首から吊している人、
ホームセンターでプラスチック製の老眼鏡を買いキリでレンズの端に穴を空けて紐をつけて首からつるしてる人、
フルネルレンズになったプラスチックのカードを胸のポケットに入れている人、レンズつきのシルバコンパスを使う人、などなど、
いろいろな老眼への対応策を見かけます。
@今まで見た中で一番良さそうなのは、百円ショップで売っているプラスチックのケース(太い万年筆みたいな形)に入っている小さくて細長い老眼鏡を使う方法です。
安くて小さくて軽いので予備の老眼鏡も持ち歩けます。これをちいさな(地図と磁石と老眼鏡が入る程度の大きさ)ウエストポーチに一つ入れて持ち歩きます
(予備はザックの天蓋に一つ入れます)。使う時にはめんどうでも一々ケースから出し、使い終わったらしまいます。
細長いレンズなので、鼻メガネにかければ下に目線を移せば地図が読めて前方に目線を移せば裸眼で実際の地形が見れて、
メガネをかけたままで歩くことができます(足下がみづらいので長く歩くのは止めましょう)。山の中では地図を見るのが老眼鏡が必要な場面のほとんどです。
高価な遠近両用眼鏡(足下の見づらさは変らない)を持ち込むまでもなくて、鼻メガネ方式ですませましょう。
非常用衣類
・・・全身ずぶ濡れになって夜を迎えた時に着替える、乾いた衣類一式のことです。私の場合
はクロロファイバの下着上下(長袖シャツとモモヒキと夏物の薄手の半ズボンと厚手の毛糸の靴下を一つづつ小さなビニール袋に入れて蓋をしっかり閉じて防水し、
さらに中くらいの大きさのビニール袋に入れて防水し、それをナイロンのスタッフバックに入れて、どんな山行(日帰りハイキングを含む)
でもツエルトと共に持って行きます。非常用衣類を使う時のことはこちらをごらん下さい。
ビニール袋 ・・・衣類やシラフ、食料の防水に使います。大小とりまぜて、3つづつくらい予備に持って行きます。 スタッフバックに入れないとザックの出し入れの時に穴が空きやすいです(最近では穴の空きにくい厚手のものがスーパーでも売られるようになりました)。
着替え ・・・軽量化しなければならない時は持っていきません。帰りの電車で乗り合わせた人に迷惑だから、 必ず着替えるという人もいますが、その場合は非常用衣類で代用します。だからぼくの非常用衣類のパンツは下着じゃなくて夏物の薄手の半ズボンです。 温泉セットなどといって着替えとタオルをいつも携帯する君に伝えたいです「Timtamの山は 困難だけど危険でないレベルを目指す山です。しかし、その山に行く初心のメンバーの中には、 温泉セットを持つ体力やメンタル部分でのゆとりのない人が一人や二人はいることを知っていてほしいのです。」と・・・。
水筒 ・・・昔ながらのエバニューの2リットルポリタンを使います。もちろんあきペットボトルでのOKです。テント泊の山では、 水の管理をしやすくするためにメンバーがみな同じ2リットルポリタン(名前を書くのを忘れずに)にするといいです。 私の場合はスリーシーズンは1リットルポリタン(ザックの本体に入れます)に500ccのペットボトルですごします (500ccペットボトルはザックの天蓋に入れます)。水筒の中身は水です。怪我をした時のことを考えても、その他の時でも、 きれいな水の用途は広いのです。冬になったらポリタンは中身を空にして持ちます。水を入れても凍ってしまうからです。 そのかわりにテルモス(魔法瓶)にお湯を入れて持って行きます。凍える寒さの中テルモスのお湯が温めてくれるのは体ばかりではありません。 かといって、夏にテルモスを持つのは感心しません。テルモスはそれなりに重たいしかさばるからです。 概して、夏にテルモスを持つ人はテルモス以外にも重たいものをいっぱい持ってる可能性が大きい人です。 重たい荷物(軽く出来るはずの)でバテてたんでは話になりません。お湯が欲しいなら湧かせば良いのです。 山の食料のことのページにある水についての記述もごらん下さい。
雨具上下 ・・・ゴアテックスの雨具の出現は革命的でした。 ハイパロンやビニールコーティングの雨具は着ていても中から自分の汗で濡れてしまいますが、ゴアテックスは中からの蒸気を外に出してくれるので、 さわやかに過ごせます。欠点は値段が高いことと長持ちしないことです。毎週のように山に行ってたら一シーズンで雨漏りするようになります。 ということで、なるべく出し惜しみしながら使うこと。夏の日帰り山行のちょっとくらいの雨だったら使わないとか古い雨具で済ませるとかします。 新品はここぞという山行までととっとくのです。
行動食・・・ゆっくり昼食をとることを目的にした山なら別ですが、 ちょうど昼食をとる頃がその日の登山の核心部分の面白い所と重なっているものです。また冬は日が短いし、 30分も昼食の時間で止まってたら寒くてしかたがありません。だから、Timtamの山行では長い時間の昼食休憩を取らないことの方が多いのです。 それで、休憩(一本)をとる毎に、ちょっとずつ5分くらいの間に行動食をつまみ食いします。行動食はカロリーが高くかさばらないものを、 一日分で「にぎりこぶし一つ」ぐらいの量にまとめてビニール袋に入れて、ザックのポケットなどすぐに出せる所に入れて携行します。 1日分の行動食の例・・・ベビーチーズ1つ、アーモンドチョコレート3つぶ、カリント6ケ、煮干し3匹、乾しアンズ1つ、オールレーズンクッキー3枚、飴玉2つ
非常食
・・・非常食の例
Aさん---チョコレート1枚
Bさん---チーズ一箱
Cさん---チキンラーメン1袋
Dさん---コンデンスミルクチューブ1つ
Eさん---ハチミツレモンジャムチューブ1つ
補助ロープセット
・・・Timtam&Cueの講師は低山のハイキングの時でも補助ロープセットを持って行くようにしています。
少なくとも「セルフビレー」の意味が理解出来ていない人はリーダーとなっても補助ロープセットを持って行ってはいけません。ロープは命を託すものですから、
間違って使うと重大な事故につながってしまいます。補助ロープセット:8mmの径で30mの長さのロープと安全環付軽量カラビナ3枚、標準スリング(15mm幅、1.5m長のテープを輪にしたもの)3本、
2倍長スリング(30mm幅、3m長のテープを輪にしたもの1本)
<参考1>完全な自己責任の元に使用するならば15mm幅のテープ(長さ20~25メートル)を補助ロープとするのも良いだろう。テープはパッキングしやすく、
お助け紐として後続者を引き上げる場合、それを手の平に巻いた時にロープより痛くなくて力が出せる。
<参考2>値段は高いが、径8mmのナイロンロープより強度がある、径7mm以下のケブラーロープを使う手もある。
軽いので50mの長さでも苦にならない(ロープは50mあるほうが安心)。ケブラーロープには弾性がないと知って使うこと。
例:エーデルワイス社5.5mmケブラー
地
図 ・・・@2021年の現在、紙の地図はネットから出して印刷して持ちそれは補助で、行動中は携帯端末にダウンロードした地図をメインに使って歩く登山者が増えて来ました。携帯端末には、GPSがついていて現在地がピンポイントでわかるのが最大のメリットです。こちらをごらん下さい。
携帯端末に入れたジオグラフィカ
以下、紙の地図と地図全般についての記述です。
@国土地理院の1:25,000地形図(以下:地形図)を持ちます。山とハイキング地図 (昭文社のエアリアマップなど)もいっしょに持って行きます。 山とハイキング地図の紙のケースと小冊子になってるガイドブックは山に持って行かずに家の本箱に置きます。ケースを山に持って行くとつぶれたり折れたりします。 それに、たかがケースでも1gは軽量化につながります。軽量化のためには紙1枚の重さもないがしろにしない姿勢を待つべきです。
@Timtamのホームページにある地形図一覧(三百名山の地形図、地図読み山行の地形図、
沢登り教室の地形図を参考にして下さい。
@地形図は大きな本屋さん(三省堂、書泉、etc)で購入します。人気の高い山の周辺の地形図ならば登山用品店(ICI、カモシカ、etc)でも購入出来ます。
(株)内外地図 (お茶の水駅の水道橋側の出口て右へ出て三省堂 “神保町”
に向かう坂を下る坂道の途中の “右側に明治大学をやりすごしたあたり” の道の左側のビルの四階“一階は楽器屋”にある)は地図の品揃えがよいです。
@地形図は少しずつ買いだめしておき、山域別に保管しておくようにしましょう。急には目的の地形図が手に入らないことが多いものです。
@シビアなルートを行く場合は以下に記載するネットからダウンロードした地図やその拡大コピーにプラスして、本物の地形図を持って行って下さい
(図郭が大きい、丈夫な厚手の紙を使っている、濡れても印刷が流れない、etc.)。
@2020年現在、松浦は電子国土ポータル (ダウンロードがいらない)で地図を印刷しています。
@地図プリ はよく使われています。
①地図プリを起動、②「ルートなし」のまま、③IDは記入しない、④磁北線を100pxに、
⑤マウスのホイール操作(グリグリ)で富士山から縮小、⑥地図をドラッグして目的の位置に移動、
⑦グリグリで地図を徐々に大きくしながら移動を繰り返し目的の地図を画面中央に表示、
⑧ブラウザ右上のツールボタンから印刷設定を横で余白を7ミリにして印刷ボタンを押す、⑨まずは印刷出来るでしょう。
*右下に何センチで1キロなのか印刷されます。送電線は印刷されません。磁北線は印刷されません。
目的でないコースに黄色いマーカーラインが引かれてしまいます。
*マックの場合は地図プリとA3プリンターで2万5千分の一
地図を美しく印刷する方法があるようです。
@20万分の1地勢図で目的の山の全体の位置を確認しておくと良いです。もちろん20万分の1地勢図は家に置いていきます。
@地図と磁石はセットで持ちます(どちらが欠けても困ります)。
@方位磁針は真北でなくて6度くらい西に偏って指す(西偏約6度)ので1:25,000地形図には赤ボールペンで4センチ間隔
(1kmに相当)に左斜め上から右斜め下の方向の直線を何本か書いておくと良いです。シルバコンパス
(シルバとは森という意味)の長い方の一辺を地図上の目的地の方向に向けて置き(丸い一辺が手前、矩形の一辺が先)、
リングを回して中の矢印を西偏の線と平行に合わせます。今度はシルバコンパスの短い方の丸い一辺を腹
(コンパスを使っている人間のお腹)に当てて立ち、右なり左なりにじりじりと体
(コンパスを使っている人間の体)の方向を変えて、
方位磁針がさっき西偏の線と平行に合わせた矢印とぴったり重なるようにします。
それらが重なった時、シルバコンパスの長い方の一辺の指す向きが目的地への実際の方向を示しています。
@1:25,000地形図の外側の余白の内側の四角い枠の右上のはじの頂点から水平方向左に、 偏角(地図の右の枠外に記載)に対応する長さを下の表から読んで、その長さ分行った所にポイントを打ち、 上記の四角い枠の右下のはじの頂点と結ぶと西偏の線の一本目が引けます。その線と平行に4cmおきに直線を何本か引いておきます。 「旧図郭」と「新図郭(上下左右に2.5cmずつ大きい)」とネットから印刷した地図用に「A4横」の表を以下に掲載しました。
(旧図郭)西偏約6度の線を引く1 | |||
偏角 | 長さ | 偏角 | 長さ |
6°00′ | 38.9mm | 7°00′ | 45.4mm |
6°10′ | 40.0mm | 7°10′ | 46.5mm |
6°20′ | 41.1mm | 7°20′ | 47.6mm |
6°30′ | 42.2mm | 7°30′ | 48.7mm |
6°40′ | 43.2mm | 7°40′ | 49.8mm |
6°50′ | 44.3mm | 7°50′ | 50.9mm |
(旧図郭)西偏約6度の線を引く2 | |||
偏角 | 長さ | 偏角 | 長さ |
8°00′ | 52.0mm | 9°00′ | 58.6mm |
8°10′ | 53.1mm | 9°10′ | 59.7mm |
8°20′ | 54.2mm | 9°20′ | 60.8mm |
8°30′ | 55.3mm | 9°30′ | 61.9mm |
8°40′ | 56.4mm | 9°40′ | 63.0mm |
8°50′ | 57.5mm | 9°50′ | 64.1mm |
(新図郭)西偏約6度の線を引く1 | |||
偏角 | 長さ | 偏角 | 長さ |
6°00′ | 44.2mm | 7°00′ | 51.5mm |
6°10′ | 45.4mm | 7°10′ | 52.8mm |
6°20′ | 46.7mm | 7°20′ | 54.0mm |
6°30′ | 47.9mm | 7°30′ | 55.3mm |
6°40′ | 49.0mm | 7°40′ | 56.5mm |
6°50′ | 50.3mm | 7°50′ | 57.8mm |
(新図郭)西偏約6度の線を引く2 | |||
偏角 | 長さ | 偏角 | 長さ |
8°00′ | 59.4mm | 9°00′ | 66.5mm |
8°10′ | 60.3mm | 9°10′ | 67.8mm |
8°20′ | 61.5mm | 9°20′ | 69.0mm |
8°30′ | 62.8mm | 9°30′ | 70.3mm |
8°40′ | 64.0mm | 9°40′ | 71.5mm |
8°50′ | 65.3mm | 9°50′ | 72.8mm |
(A4横)西偏約6度の線を引く1 | |||
偏角 | 長さ | 偏角 | 長さ |
6°00′ | 22.3mm | 7°00′ | 26.0mm |
6°10′ | 22.9mm | 7°10′ | 26.7mm |
6°20′ | 23.6mm | 7°20′ | 27.3mm |
6°30′ | 24.2mm | 7°30′ | 27.9mm |
6°40′ | 24.8mm | 7°40′ | 28.6mm |
6°50′ | 25.4mm | 7°50′ | 29.2mm |
(A4横)西偏約6度の線を引く2 | |||
偏角 | 長さ | 偏角 | 長さ |
8°00′ | 29.8mm | 9°00′ | 33.6mm |
8°10′ | 30.5mm | 9°10′ | 34.2mm |
8°20′ | 31.1mm | 9°20′ | 34.9mm |
8°30′ | 31.7mm | 9°30′ | 35.5mm |
8°40′ | 32.3mm | 9°40′ | 36.1mm |
8°50′ | 33.0mm | 9°50′ | 36.8mm |
ヘッドランプとスペア電池
・・・手に持つ懐中電灯は両手を使っての作業が出来ないので、ヘッドランプにしましょう。夜の山道だってこれさえあれば歩けてしまいます。
松下電器やペツル社のヘッドランプが一般的です。単三の乾電池で使うので、予備電池も含めて軽量化出来ます。
最近発光ダイオードを使った超長寿命で軽量のヘッドランプが登場しました。その発光ダイオードの光は明るいけれど紫に近い白い色の光なので、
タングステン電球の黄色い光に比べてフォッグランプ的な効果が少なくなります。それで、
ちょっと霧っぽい感じの夜道では、足下の起伏がくっきりみえないし遠くは霧のベールになって、3メートル先くらいまでしか見えません。
発光ダイオードランプにはそんな欠点(改良される日も近いでしょう?)はありますが、電池の長持ちさと軽さの利点はそれに勝ります。
私はペツル社の4連発光ダイオードタイプを使っています。その発光ダイオードタイプは単Ⅳ電池を3本使用するので軽量、
電池ボックスとランプの間をつなぐコードが表に出ていないので断線のおそれがないのもいいです。
ヘッドランプはスペア電池とスペア電球とトリオで持ちます。発光ダイオードタイプの場合はスペアの玉は持ちません
(玉が複数ついているので一つパンクしても大丈夫です)。夜道を歩くときスペア電池があるかないかでその不安感
(一人だったら恐怖感かな)はまるで違います。断線など予期せぬトラブルもあるのでスペアにもう一つヘッドランプがあってもよい
(シビアな山行や単独行の場合は特に)。小さいペンシルライトや携帯電話をスペアランプに使う人もいます。
ティッシュペーパー ・・・山のゴミは持ち帰ります。トイレットペーパーは土壌細菌に分解されやすいと言われていますが、 それでも持ち帰るべきです(でも、日本ではトイレットペーパーのみは山に置いてきて良いという雰囲気があります)。 ティッシュペーパーはトイレットペーパーより分解されないので必ず持って帰りましょう。ペーパーを使わずに手で鼻をかんで草でぬぐうのはババッチィけどOK?です。 雪山の場合はオーバー手袋で鼻をかんで雪でぬぐうのが正解?です。私はトイレットペーパロールの小さくなったやつをザックの雨蓋に、 大きいロールをザックの本体の中に入れます。どちらもビニールの袋に入れておきます。使う時もロールをビニール袋から出さずに、紙を引き出して使います。 トイレットペーパーは濡れたらとっても使いづらいからです。トイレットペーパーロールは鼻をかんだり、トイレで使ったりするよりも、 主に食器や鍋の汚れを拭き取るのに活躍します。洗剤などで食器を洗って山を汚すより、トイレットペーパーで拭き取って持ち帰るべきです。 厳冬期は食べ終わったらすぐに食器を拭いてきれいにします。そうしないと凍ってしまって取れなくなります。山では、 トイレットペーパーのことをキジペーとも言います。
手袋
・・・
@山の気温は低いのです。素手で歩ける時の方が少ないのです。夏山でも毛糸の手袋を持って行きましょう。ポケットに手を入れるのは危ないです
(転んで手をつけなくて重大事故につながった例があります)。
@雪山では毛糸手袋だけでは風が通って手が冷たくなります。それで、ナイロンで出来たオーバー手袋で風をよけます。オーバー手袋には2つ指、3つ指、
5つ指があります。指の数が多いほど手は冷たくなります。2つ指のオーバー手袋をまずは使いましょう。
→参考写真(冬山手袋の組み合わせ)
@夏山ならば雨風でも3000m稜線を行動することがあります。その時の服装は、雪が降らなくても、森林限界を越える雪山のそれと似ています。
なので、セーターだけでなく、毛糸手袋(綿なくて毛)を持って行きましょう。ゴアテックス等で防水されたオーバー手があればもっと良いです。
<補足>予備日がないのに、撤退が難しい3000mの稜線で宿泊してはなりません。
@雪の岩稜をクライミングする時はホールドを持ちやすくするために薄手の手袋を使いますが、すぐに手が冷たくなってしまいます。
何枚も持って行ってこまめにとりかえること。縦走登山のときより1枚多く衣類を着て、体の内部から血液を温めて、それで手を温めるる工夫が必要です。
@雪山で手袋を風に飛ばされない工夫として、手袋の手首の所にゴム紐の輪をつけて手首にその輪を通しておきます。
全ての手袋にゴム紐の輪をつけていたらゴチャゴチャになるので、オーバー手袋を最優先して下さい。
@沢登りで軍手をはめて歩いている人がいますが、指先を切ってあっても濡れた岩や、濡れた灌木などを握る力はかなり減衰するので止めた方がいいです。
完全なヤブコギになればもちろん軍手(皮の軍手がいい)が有効です。
たき火をする時は軍手があるといいです。
マッチ(ライター) ・・・火の管理が出来るからこそ人類。いざという時火がつかないのはこまります。マッチやライターは複数で持ち、防水して複数の所(ザックの雨蓋、食器の中、 非常用衣類の袋の中など)に入れて持って行きましょう。使い捨てライターは大変便利ですが、圧電式のものは山でつかなくなることが多いので、 ズリッ!と着火剤の石を削る方式のやつが良いです。
メタ ・・・固形燃料のことですが。缶に入っているやつでなくて。長さ5cmほどで、 スティック状になって箱に入ってるタイプ(スイスメタとかエスビット)のことです。スティック1本で数分間燃え続け、 重量もわずだったので、昔は非常時対応の必須のアイテムでしたが。 超軽量コンロと小さなガスボンベが登場した現在では。メタは焚火をする時の一番初めの焚き付けとして使うくらいで、 沢登り以外の登山では持ち歩く人が少なくなりました。2012年の現在、 登山用品店でスイスメタが手に入りませんので 調理用固形燃料で代用して下さい。
基本救急セット
・・・救助や救護として出かけるときは、患者(病人・けが人)が「居る」
あるいは「出る可能性が高い」状況ですので、もっと幅広い範囲で種類も量も多くなります。内容は、あくまで個人山行の標準装備です。
つまり、何十回も無駄に担いで登るという前提です。一つ下の項のザックの雨蓋の中に入れる松浦講師の薬セットの項もごらん下さい。
基本救急セットQ&Aのページ(←クリック)をごらん下さい。
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のぞいてみました、『よいどれ医者の救急セット』
・エラスコット(9cm幅)→解説はこちら
・じぶんでくっつく包帯 (4.5cm幅)
・三角布
・テーピングテープ(1.5インチ幅)
・絆創膏→マイクロポア( 1/2インチ幅)、優肌絆( 1インチ幅)→解説はこちら
・ガーゼ 数種類
・シルキーポアドレッシング(絆創膏、サイズ2・3、各数枚)
・カットバン
・デュオアクティブET、キズパワーパッド
・清浄綿(おしぼり風消毒パック)→解説はこちら
・ハサミ
・ピンセット
・20mlのシリンジ(注射器)→解説はこちら
・ポイズンリムーバー
(ポイズンリムーバーは一分一秒を争って使うので、ザックの中に入れず、雨蓋に入れます。)→
ヘビの項に行く、虫の項に行く
・プラスティック手袋
・薬類→解熱消炎鎮痛剤、抗生剤、ステロイド軟膏、イソジンゲル、(ダイアモックス)
・ペアン・2-0絹糸(ペアン・2-0絹糸は『よいどれても医者』なので持っている止血道具です。)
*この中で、「少しでも軽量化を」というならテーピングテープ、三角巾、キズパワーパッドなどを減らします。
逆に、お好みに応じて湿布薬などを入れてもいいでしょう。
*これ以外にも、新聞紙やタオル、安全ピンや細引きなど、普段持って歩いているものを有効に使います。
*三角巾、エラスコットは撮影用に新品ですが、実際は袋から出したものを持って歩いてます。
実際に収納したときの救急セットの大きさ。右は、二人用のツェルトです。
エラスコット包帯(9cm幅)…添え木の固定など他用途に使えます。→解説はこちら
基本救急セットQ&Aのページ(←クリック) をぜひごらん下さい。
薬セット・・・松浦講師の薬セットを紹介します。
一つ下にあるザックの中に入れる基本救急セットの項もごらん下さい。
アックリノール液…傷口の消毒用(小さなマヨネーズの容器に入れています)
ムヒ軟膏…(虫さされ、マタズレ、湿布剤、グリスの変わり、液でなくて軟膏の方が他用途)
湿布バン…(整形外科で余るほどもらった時の余り)
痛み止め…(バッファリンなど)
テーピングテープ…(幅2cm程度、厚い幅のやつはパッキングしずらい)
防水バンドエード大、中、小…(防水なので便利)
滅菌ガーゼ…(傷をした人は、滅菌ガーゼの白とアクリノール液の黄色を見ただけで安心する)
小さな鋸…(怪我した人をザックで運搬するときの棒を切り出す、添え木を作る、ビバーク地の整地など他用途)
細ひも ・・・細引きとも言います。3mmの径のひもを6mほど、いろいろと役に立ちます。
ビニールテープ ・・・赤いビニールテープ一巻きのこと、目印、壊れた物の修理、絆創膏の変わりなどなどいろいろと役に立ちます。 テーピングテープを持つ人もいますが、強度が抜群で小さくコンパクトで他用途なビニールテープを必携することをおすすめします。
登山計画書(登山届,山行届) ・・・所属の会に山行届を提出するのは当該山行メンバー全員の責務です。 大きな山の登山口(特に長野県) ではレンジャーから山行届の提出を求められる場合も多いです。 山行届は数通(登山口提出用,メンバー用,いざという時用)は持って山に行きましょう。 Timtamではガイド協会が運営するコンパスというサイトから登山計画書を提出することを推奨しています。コンパスは公的な機関と連携しているので便利です。
シラフー、シラフコンプレッサー、シラフカバー、インナーシラフ ・・・大きめのスリーシーズン用の羽毛のシラフとゴアテックスシラフカバーとインナーシラフを山にあわせて組み合わせて使っています。 夏の沢登りは使い古したシラフカバーのみ、夏の北アルプスの合宿は新しめシラフカバーとインナーシラフ(カモシカスポーツ登山店で売ってます)、 秋と春はスリーシーズンシラフのみ(雨が降ったら新しめのシラフカバーを追加)、 冬はスリーシーズンシラフとインナーシラフ(テントの端に寝る時と雪がテントにたくさん入った時に新しめのシラフカバーを加えます。 雪洞泊はスリーシーズンシラフと新しめのシラフカバー(雪洞泊にシラフカバーは必須)・・・といった具合です。 新しめという言葉が気になったと思いますが、シラフカバーのゴアテックスはすぐに消耗するので2年くらいで更新してしまうからです。 1泊くらいの山ではなるべく古いシラフカバーを使い、ここぞという長期山行で新しめのシラフカバーを使うと言ったほうがわかりやすいかもしれません。 シラフはシラフ袋付きのシラフコンプレッサーに入れて小さくしてからビニール袋に入れて、さらにスタッフバックに入れて、 ザックの底にシラフカバーや非常用衣類(同様に防水のこと)などと共にザックの底に押し込むようにしてきっちり詰め込みます。 こうすることでザックに形の良い土台が出来るので、後は適当に軽い順につめて行けば現代のザックならそれなりのパッキングに仕上がります。 シラフコンプレッサーはなくともOKで、シラフ袋にシラフを押し込んで(そうそう、昔は巻いたのですが、 最近は足の方からただギューギューと押し入れるんです←その方が傷まない)、ビニール袋に入れ空気をなるべく抜いて袋の口を閉じるのです。
エアーマット ・・・「サーマレストマット」はテント生活に革命をもたらしました。背中が寒くて寝れないなんてことがないのです。 ぜったいサーマレストマットがいいと断言します。全身用はカサバルし、小さな山岳用テント内では占有面積が広くて他の人に迷惑がかかるので、 半身用マットにして下さい。サーマレストマットがなぜ暖かいかの説明はそのマニュアルを読んでもらうとして、 サーマレストマットの欠点?は(それがエアーマットの一種なので)小さな穴一つで空気が抜け、 暖かさが半減してしまうことです(その内部のスポンジ構造により少なからず保温力は保ちますが)。 快適だからといって、テントに入るなりサーマレストマットをふくらまして席を確保する人がいますが、 テント生活はゴチャゴチャしてるので何かの拍子で穴が空く可能性があります。 購入時に附属してる収納袋に入れさらに厚手の生地で出来たスタッフバックに入れて二重にして、 それでもって寝るときにしか出さないようにして、起きたらすぐにしまうぐらいでいいと思います。 夜、寒くてふるえながら寝ないですむために、努力を惜しんではなりません。まして、停滞(沈殿) の日にテントの外の石がごろごろしてる所にサーマレストマットを出して昼寝するなんて、本末転倒はなはだしいと思うのですが?
銀マット ・・・テントの中に敷く銀色のマットのこと。本来の使い方は銀色の部分を下に敷くのだが、なぜか?銀色を上にする人が多いのです。私もついつい銀色を上にしてその上に座っています。水なんかこぼした時に銀色が上の方が拭き取りやすいし、だれのマットを使っても色が同じ銀色で、明るく開放感があるからかな?。スポンジのコーティングがしてないタイプの銀色のシートがあります(かさばらなくて良いのでお勧めです)。
テント
・・・◆大人数で煩雑に使うならダンロップテント6人用(4~5人が快適)
◆冬用テントで内張を使って軽量化したいならエスパースマキシム4人用(3~4人が快適)
◆個人で持つスリーシーズンテントなら石井(アライテントがライセンス生産)のライト3人用(2~3人が快適)
◆一人で行くならツエルト(ポールは使わない)かエスパースミニ1人用
◆市販の山岳用テントは極寒、強風の高所の悪条件に耐える優れた製品ばかりです。問題は使用する側にありそうな気がします。ファスナーの開閉を丁寧にしないとか、
中でガスランタンを焚いて酒盛りするとか、オートキャンプと山岳キャンプを混同しているような現状は改善したいものです。まず手始めに
テント内でのガスランタンの使用禁止を提案します。以下、テントの扱いの注意事項です。ポールを通してテントが立ったらテントの入り口を風下側(なるべく)に向ける。
テントのグランドシートの四隅を引っ張ってテントの底をなるべく正確な長方形にする。四隅はペグで止める、
と言っても山のテント場は岩だらけでペグが効かないから四隅の輪にペグを通したらそれをを横に置いて大きな石を両サイドに置いて固定する
。四隅の輪や貼り綱の輪にペグを通してハンマーで打つのは、テープやひもが急激な摩擦で切れてしまうので良くないです、
ペグを打ってから四隅の輪をそこにかけるようにします(張り綱も同様でペグを打ってからかける)。フライをかけ、貼り綱を張ります(
細引きがけっこう役立ちます)。銀マットを敷き、
ザックを入れる(ザックなどテント内で使わないものを外にまとめてシートにくるんで置くことも多いです)。
中に入る前にトイレと水くみをすませます。テント撤収は設営を逆まわしにすればいいです。
ポールは端からたたまずに真ん中からたたむとショックコードを痛めません。
ポールをザックの外につけて運ぶ場合は紛失に注意(ポールとザックを細ひもでつないでおくと良い)しましょう。などなど・・・。
コンロ、ガスボンベ ・・・ガソリンコンロを使う人は少なくなりました。やっぱりガスコンロは手軽で安全で、今のは火力も強くて便利です。寒くて火力が落ちても60度以下(90度以上厳禁)のお湯を少し入れた鍋の中にコンロを入れ(ボンベの部分をお湯に漬ける)ると復活します。所属の会の人どうしで購入するコンロのメーカーを統一しておかないとボンベが共用出来てなくなるので注意して下さい。ボンベは1人1日0.5個~1個ぐらい使います(水場から水が汲める~雪を溶かして水を作る)。コンロはテントに2台以上用意しましょう、炊事が早くなるし、1つ不調でも、もう1つがバックアップになります。そうは言っても、メンバー全員が1台ずつ個人のコンロを持って来て、テント内がコンロだらけになるのは、軽量化してない、打ち合わせが不足、ということで問題です。
個人の食器 ・・・私は市販のみそ汁用のお椀を小さな一人用コッヘルの中に入れて食器セットにして使っています。 ティッシュペーパーの項を参照してください。
ラジオと天気図用紙
・・・
@もう天気図をとる(書く)のは時代遅れかも知れませんが、まだまだ一番確実です。
@NHKの第二から毎日9時15分と16時と22時に放送されています。
@天気図用紙は大きな本屋さんに行って買うか、山渓1月号付録の登山手帳内にあります(コピーする)。
@天気図をとる練習をしてないと言う人でも、漁業気象(高気圧と低気圧と前線の位置を言う)を放送に従ってメモして後から清書すればかなりしっかりした天気図
(テレビの天気図の画面程度)が出来上がります(20分程度で出来ます)。例えば、「日本のはるか東、北緯40度、
東経173度には発達中の低気圧があって東北東に毎時30キロで進んでいます。中心から閉塞前線が北緯32度東経174度にのび・・・」と放送されたら、
「40、173、テ、トウホクトウ30、ヘイソク32、174・・・」といった感じでメモします。放送が終わってからゆっくり清書します。
石垣島から始まり富士山で終わる、各地の天気までメモしていたら大変なのでそれは省略(数十枚も天気図をとる練習をしないと放送のスピードでは書けません)します。
@雪崩れビーコンを装着した人が近くにいると、ビーコンの発信をラジオが捕らえて大きなノイズを出すので、離れてもらいます。
天気図をとる人はビーコンのスイッチを切ることになります、充分な注意が必要です。
雨傘 ・・・テントに一つかな?みんながみんな傘を持ってるのは軽量化違反?荷物や山の条件によりますね。
コッヘル ・・・多くが横持ち式です。たき火にかけるなら上持ち式つまり吊り下げ式になってるものが良いです。 蓋をしめて袋の口を閉じ蓋が取れないようにして持ち運びます。蓋がとれるとパッキングの圧力で変形してしまい蓋がきちんと閉まらなくなります。 食事が終わったらすぐにきれいにするのは食器と同じです。 ティッシュペーパーの項を参照してください。
食料 ・・・山の食料のことのページをごらん下さい。
ヘルメット ・・・登山用ヘルメットを使用しましょう、軽量で強く、ひさしが小さく、ヘッドランプがつきます。バリエーションルートに行く時はそこがどんなに易しいルートでもヘルメットを着用しましょう。ねじりハチマキで沢登りする達人もいますが真似はしなくて良いです。蛇足ですが中に地図を入れたり、バケツ変わりに水を汲み焚き火の消火に役立てたり、雨の日はレインキャップの変わりにしたりします。雪山用の厚手の帽子をかぶるとヘルメットが頭に入りにくくなるので、アイスクライミングや冬期登攀の時は目出帽子を併用します。
カラビナ ・・・岩登りを始めたら、まずO型かD型のカラビナを1つと、少し大きめの安全環つきカラビナ(HMSカラビナが良い)を1つ買いましょう。ゲートは真っ直ぐ(くの字でない)のやつです。それから登山用品店に行くたびに1つずつ買い足して半年後には10個にしましょう。そのころにはⅣ級程度の岩場がリード出来るようになっていると思います。カラビナには所有権をはっきりさせるために目印(ビニールテープを巻くor名前シールを貼る)をつけましょう。と昔は言われたけれど、週に1~2回人口壁のトレーニングジムに行き、週末は山に行くという新たな登山者のライフスタイルが定着してきました。カラビナを1つ買うというより二ついっぺんに買う(クイックドローに付属)時代になりました。TPOを考えるのが重要です。
ロープ
・・・
@8~9mm、45~50mのロープ(ダブルロープ用)を個人で持つようにしています。8~9mmのロープを2本持ち本番のルートに行きます。
2本のロープにすると、ちょっと扱いが複雑になりますが、ロープの流れがスムーズだし、45~50mいっぱいの懸垂下降が出来ます。
また、本番ルートは落石が多く、それがロープに当たって切れた経験を持つのは私ばかりではないと思います。もしもう一本のロープがなければ、
切れた短いロープでの登攀を強いられるわけで、ちょっと大変です。
@40mもロープを伸ばす可能性のない沢に登りに行く時は8mm、30mの補助ロープを持って行きます。
15mm幅、24mのテープ(ロープの規格外なので完全な自己責任の基に使うこと)という時もあります。
<参考1>完全な自己責任の元に使用するならば15mm幅のテープ(長さ20~25メートル)を補助ロープとするのも良いだろう。
テープはパッキングしやすく、お助け紐として後続者を引き上げる場合、それを手の平に巻いた時にロープより痛くなくて力が出せる。
<参考2>値段は高いが、径8mmのナイロンロープより強度がある、
径7mm以下のケブラーロープを使う手もある。軽いので50mの長さでも苦にならない(ロープは50mあるほうが安心)。
ケブラーロープには弾性がないと知って使うこと。例:エーデルワイス社5.5mmケブラー
リーダーとなったら低山のハイキングに行く時も補助ロープを持ちます。橋が壊れていたり、道が寸断されていたり
、鎖場ですくむメンバーを確保したり、怪我した人を運搬する、などなど補助ロープは他用途です。ただし
セルフビレー(自己確保)の意味が理解出来ていないならばたとえリーダーとなっても補助ロープは携行すべきではない
です。使い方をまちがえるとロープにつながった人みんなが怪我をしてしまいます。
@また、フリークライミング用に開拓された岩場ではより安全度の高い10~11mm、50mのロープ(シングルロープ用)を持って行きます。
フリークライミングのルートは太いシングルロープで登るように設計されているので、
よく伸びてそれで墜落距離が大きくなる9mm以下の細いロープでそのルートをリードするのは危険です
。それで、墜落してもあまり伸びない太いロープはボディビレーするビレーヤーの腰を痛める可能性があります。
華奢な女性が大柄な男性のビレーをするなどの時は腰の準備運動を十分に行うようにして下さい。
ハーネス
・・・最新のレッグループ式が良いです。
フリークライミング用に押されてはいますがアルパインクライミング用も少ないながら市販されています。アルパインクライミング用は、軽い、
付属のギアラックとザックのウエストベルトのマッチングがいい、沢登りで使いやすい、アイゼンをつけたままでも着脱が出来るなどの利点があります。
用途に合わせて購入すること。
スリング
・・・
@手作りする場合は標準60cmスリング{15mm幅、1.5m長のテープ(or 6mmロープ)を輪にしたもの}4本、
2倍長120cmスリング(20mm幅、3m長のテープを輪にしたもの)1本をとりあえず作ってください。テープの場合リングベンドでロープの場合はダブルフィッシャーマンズノットで結びます。1年ぐらいしたら別の色のスリングを作ります。古い方のスリングから、捨て縄にして順次更新して行きます。体が小さい女性は標準スリングを50cmに2倍長スリングを100cmするなど自分に合った長さに短く作ると良いでしょう(肩にかけて携行しやすい)。
@市販のミシンで縫って作ってあるものを購入する場合は標準60cmスリングは8mm幅くらいの出来る限り細いダイニーマスリングが良いです
(細くないとハーケンの穴を通らないことがあるからです)。2倍長120cmスリングは20mm幅の太いナイロンスリングが良いです
(太い方がお助け紐にした時に手で引きやすく、背負い紐や簡易ハーネスにした時に体に食い込みにくいです)。
@ナイロンの融点は220℃程度、ダイニーマの融点は170℃程度でどちらも熱に大変弱いと知っていて下さい。
アブミ
・・・1990年の発行の岩小舎6号に掲載されたアブミの作り方を紹介します。一段
目が最下段です。最上段が四段目となる四段アブミと三段目となる三段アブミがあります
(最近は二段アブミは見ない、五段アブミは良く見る)
1,一般のプレートアブミ・・・カラビナの頂点から第三段のプレートまでが50センチくらいで二段目と一段目も大体50センチくらいの等間隔で作ります。
2,小林式プレートアブミ・・・カラビナの頂点から第四段までが40センチ、四段と三段の間が20センチ、三段と二段が45ー60センチ、
二段と一段が40-55センチで作ります。これを使った友人の小林氏の軽やかな登りを見せたいものです。
3、松浦式冬用アブミ・・・四段までが40センチ、次から35センチで等間隔に作る。カラビナには長さ80センチ幅二センチテープで作ったスリングをタイオフ
(=ガースヒッチ=一回だけくぐらせたブルージック結び)
してリストループにします(リストループに足を入れれば小林アブミの最上段になる)。
カラビナのゲートのコの字の切れ込みをやすりで削り滑らかにしてハーケンの穴への出し入れをしやすくすると良いです(強度低下に注意)。
プレートに土踏まずの所で乗るのと、二つのアブミに体重を分散しないで一つのアブミに完全に乗ってしまうのが秘訣です。
これで一の倉尾根の核心部を難なくリードすることが出来ました。ちなみにカラビナは手袋で持つことを考えて大き目のやつがいいです。
ハーケン
・・・岩場の本番ルートの有名ルート(一の倉沢・南稜や中央稜、北岳バットレス・四尾根、剣岳・八峰フェース群)とかに行った時も、
つい最近の奥多摩の水根沢に行った時もクロームモリブデン鋼のハーケン、縦横兼用ブレードタイプ4枚とアングルタイプ2枚の計6枚を携行しました。
つまり無雪期のバリエーションルートに行く時はいつもこの6枚を持って行きます。ブレードタイプは10センチ程度の長さものです
(短いハーケンは長いので代用出来るので持ちません)。アングルハーケンは幅広い岩の割れ目用で一度打ったらまず抜けないほど強力です。
アングルハーケンはアングルが開く方向に差し込み打ち込みます。ハーケンを打つ時は岩の割れ目をまず探し、
その割れ目のまわりをハンマーでたたいてキンキンと音がして岩が浮いていないかを確かめます。
ハーケンを打ち込むとその打撃音が次第に高音になります(ハーケンが歌うという)。ハーケンが歌うとそれがしっかり効いていると言われています。
ハンマー
・・・ロックハンマーを使わずにはカジタのアイスバイル(ノーマルピックつき、外国製より軽い)を使っています。
バイルのピックはチムニーの中でハーケンを打つ場合に邪魔になることがあるそうだけれど、
ただのハンマーで出来ない雪渓の処理からテント場の整地作業まで多用途にこなします。
私はバリエーションルートに行く時は季節を問わずほとんどいつもカジタのアイスバイルを携行しています。
チョック(ナッツ)、フレンズ(キャメロット)
・・・ハーケンやボルトを排除してチョックやフレンズだけで登るクリーンクライミングの流行は去りましたが、チョック等はその簡単にセットできる利点を生かして、
支点の補強とかワンポイントで支点を追加するなどに使われることが多いです。シビアな場面でワンポイントの補強は強力な味方となるので、
私の場合は沢登りには持たないけれど本番のルートには携行しています。小さいチョックは効きが悪いみたいなので、それを使わずにハーケンを打ち込みます。
多くの場合にワイルドカントリーのロックスの5番、7番、9番の3つとチョックレンチとフレンズの2番を持って行きました。
この組み合わせとハーケンを合わせれば、1ミリから6センチ程度の岩の割れ目に対応できます。
チョックレンチ
・・・チョックレンチはチョックをはずす道具(がっちり効いたチョックをはずれる方向にチョックレンチでたたくとかんたんにはずれます)で、
2センチ×20センチ×3ミリくらいの大きさの鉄の板(軽量化のために穴がいくつか空けられる)で先がかぎ爪の形に曲げられているやつが他用途です。
このかぎ爪でハーケンに入らないスリングを掻き出して通したり。ハーケンの穴に引っかけてフイフイのように使うことが出来ます。
背の高い男性の作った支点の間隔が遠い人口登攀のルートでもチョックレンチを引っかける使い方でリーチを20センチ伸ばすことが出来ます。
確保器 ・・・Timtamの沢登りでは確保器としてエイト環(輪の大きなクラシックタイプ)を用いています。 エイト環は初心者の方がビレーしていて墜落に際してパニックになり握りしめるべきロープでない側を握ったりしても立て直しができる可能性が高いようです。
また、エイト環は懸垂下降の用具として優れています(懸垂の支点が壁の落ち口より下にあるようなシビアな場所でもエイト環ならロープのセットが容易です、
結び目通過も出来ます)。人口壁にトレーニングに行く場合とか、
本番ルートでダブルロープシステムを使う場合にはATCなどのブタの鼻のような形をした確保器を使います。
ロープの操作性抜群(シングル、ダブルロープともに)のATCですが(エイト環よりキンクしない)、
それを用いて懸垂下降するのには、エイト環よりロープのセットに手間取りやすいので習熟が必要です。改良型の少し大きめの左右非対称のATCは、
支点の強度(ハンガーボルトならハイフリクションモード、ハーケンならばローフリクションモード)
等の状況に合わせて制動力を変えられるので今後普及して行くと思われます。
最近はセカンドの確保で自動ロックシステムをセット出来る確保器(ルベルソーキューブやATCガイドなど)を持つ人が多くなりました。
自動ロックシステムをセット出来る確保器は大変に便利です。しかしながら、
確保の支点が強固で確実なものであることをみきわめて自動ロックシステムを施す必要があります。
また、自動ロックがかかると簡単にはロープが緩められませんから、セカンドをチョット下ろすといったことが出来にくいし、
沢登りでセカンドが激しい流れに落ちた時にロック解除に手間取れば、セカンドを溺れさせてしまいます。
いずれにしても確保器はその使い方に習熟するまで練習しなければなりません。
渓流靴下
・・・海に潜るダイバーが来てるウエットスーツと同じ材質の、ネオプレンゴムで出来た靴下です。秋深くの、春浅くの、寒い時の沢登りで有効です。夏場だけなら、毛糸靴下OKです。渓流足袋を使ってる人は足袋型の毛糸靴下が釣り具店で手に入ります。
渓流釣りセット
・・・釣りのためにゆっくり時間をとった沢登りにはほとんど行けないので、私の場合の釣りセットは、カーボンロッド硬調5m、道糸1m、マス針、重り無し、目印無し、浮きなし、エサはブドウ虫です。複雑な仕掛けで滝壺を釣るのは釣り師にまかせ、単純な仕掛けで、岩陰に身を隠し、1m径くらいの小さな溜まりにそっとえさを入れて岩魚をねらいます。短くて重りがない仕掛けは釣りながら沢を登るのに適しています。ブドウ虫は釣具店で手に入ります(川虫を捕る時間を節約できます)。しかけをつけたままカーボンロッドをたたんで、ロッドに糸をクルクル巻き付けて、最後に針をビニールテープを巻き付けて止めます。ここぞというポイントで、アットいう間に竿を出しアットいう間にしまって、沢登りを続けるのです。
地図用ビニール袋
・・・首からつるして、地図をいつも見れるようにします。やぶれにくく防水のマジックテープのしっかりしたものを買い求めましょう。ルートファインディングは沢登りの楽しみの一つです。初めのうちは自分がどこにいるかわからないかも知れません、いやベテランもけっこうわからないんです。ここにいるんじゃないかな?なんて思いながら、様々な観点から現在地を確認しつつ、沢を登って行きます。地図、磁石、高度計、地図用ビニール袋がルートファインディングの用具です。衛星が現在地を教えてくれる時代になりました。お金があれば、便利な用具は積極的に利用したいものですが原始的な方法も知って利用出来れば用具が壊れても電池がなくなっても対応出来ることになります。
スノートレッキングセット
@耳のかくれる帽子…晩秋から早春まで、晴れた日は早朝や夕方、雪の降っている日は日中でも、山の空気はとっても冷たくて、耳はちぎれそうなくらい凍えてしまいます。耳のかくれる帽子を持って行ききましょう。帽子の外側はナイロンにゴアテックス処理をしたものが濡れなくていいです(もちろん毛糸の帽子でもOKです)。
@毛糸手袋…耳のかくれる帽子と同じ理由で毛糸の手袋を持って行きましょう。少し大きめで厚手で暖かいやつがいいです。濡れることもあるので予備の手袋があるといいです。
@スパッツ…靴と靴下(orズボン)の間から雪が入ってしまうのを防ぐためにスパッツを持って行きましょう。足首までのショートスパッツと膝下までのロングスパッツがあります。雪があることが確実ならロングスパッツ、念のため持つならショートスパッツ。どちらか一つというなら値段は高いけどロングスパッツがいいでしょう。ロングスパッツは前開きタイプが使いやすいです。
@軽登山靴…ローカットの運動靴タイプは不可、足首まで隠れるやつだと靴の中に雪が入りにくいです。値段と靴の性能は必ずしも比例しないかもしれませんが、2万円以上する縫いと防水のしっかりした軽登山靴を選ぶようにして下さい。お店の人には「スノーハイキングに行くための靴」と言ったらわかってもらえると思います(「初心者だからわからない」という表現は止めて、「2月に北八ッの高見石に行けるぐらいの靴」というような表現をした方がいいでしょう)。4万円以上する軽登山靴を勧められることがあります。それがぴったり足にフィットするなら高い買い物ではありません。さらに5万円ぐらいするやつだと軽登山靴なのにワンタッチアイゼンが装着出来なんていう優れものになります(もちろんそれはとても便利ですが、ワンタッチアイゼンも持たないと意味がないです)。
オーバーシューズ
・・・軽登山靴で雪山に行くのは東京近郊の低山ならまったく問題はない(というよりそういう所用の靴が軽登山靴)のですが、例えば日光の戦場ヶ原たりのマイナス20度にもなっちゃう所に行くとなると、足が凍傷にかかってしまいそうで心配です。そこで登山靴の上に保温カバーであるオーバーシューズを履くという昔(30年以上前に多用された)のアイデアが思い浮かびます。登山靴の保温力がアップした現在では、登山用品店の店頭にオーバーシューズを見かけることはありません。
靴の片足が入る大きさ(15リットル程度)のスタッフバックを利用して、これを履いてからスノーシューやスキーを履くといいです。
軽登山靴+オーバーシューズ+スノーシュー(山スキーとかワカンとかアイゼンにも利用できる)の組み合わせで、高価な雪山用ソフトブーツなんかなくても、出かけて行ける雪のフィールドがふくらみます。
*靴用のスタッフバックを使うというアイデアがあります。
アライテント製の靴袋をMt石井で購入
スパッツを装着、アイゼン(ワンタッチ不可)を装着
スパッツ
・・・私はカモシカスポーツの前開きロングスパッツを使っています。横開き、後ろ開きよりファスナーを扱いやすくて重宝しています。
サングラス
・・・雪目対策として重要です。紫外線の強い日はぜったい必要です。タバコの火さえまぶしくて、涙がジャンジャン出続ける、雪目のつらさは経験しない方が良いでしょう。メガネ店で手に入る、一般のサングラスでOKです。雪目になりやすい人向けにクライマー専用のメガネがありますが、私はそれを使ったことがないのでアドバイス出来ません。
ワカンorスノーシュー・・・
@古くからあるワカン、コンパクトでアイゼンの上からでもつけられる優れモノです。ワカンは今後も日本の雪山を歩く用具の主流であり続けると思います。でもフカフカの新雪の場合はけっこうもぐって歩きにくいので、3月の中旬以降になって雪がしまって来てから使うのが良いでしょう。
@フカフカの深雪の山での機動力だったら山スキーが一番、でも、スキーは重たいし、急斜面、藪、岩場には向きません。それにスキー技術の習得には時間がかかります。
@フカフカの深雪でかなりの浮力を発揮するのがスノーシューです。なかでも山岳用スノーシュー(おすすめはTSLの225)というのがあって、山スキーのように、かかとを固定できたり、フリーに出来たりします。山岳用なので、キックステップが出来て急斜面が登れます。ワカンより深雪のラッセル能力が優れています。
@TSL製でなくてMSR製の山岳用スノーシューは頑丈な点でお勧めです。爪がサイドにあって急斜面のトラバースにも対応しています。欠点は踵が固定出来ないことでした。谷川岳警備隊の新井氏よりバンドで固定する方法を教えていただきました(斉藤氏情報)。
@現在はまだあまり普及していませんが、もしかすると、日本の雪山は山岳用スノーシューで、多く、カバーできる可能性があります。
ワカンに比べて少し大きくて重たいのが欠点です。スノーシューとストック2本とをセットで使うと機動性が増します。
Timtamでは一月から三月にかけて山岳用スノーシューを使った講習会が計画されています。
ヤッケとオーバーズボン
・・・
@冬用ヤッケのフードは口の前をマスク状に覆えて、顔全面を風から守ることが出来ます(ひもを引けば目の所だけを残して完璧に顔を覆います)。ファスナーの部分には3cmくらいの細ひもの輪がついていてオーバー手袋をはめた手でも開閉できます。ポケットも大きくて、地図や行動食が入りやすくなっています。
@でも値段が高いです。そこで、夏用雨具を冬用に改造することをすすめます。カモシカスポーツで夏用雨具につける冬用フードを売っているのでそれにとりかえ(ホックがあわなければ縫いつける)て、ファスナーに(オーバー手をはめても開閉できるように)細ひもの小いさな輪をつけて出来上がりです。いつか、フトコロにゆとりが出来たら、しっかりした冬用ヤッケを買いましょう。
@しっかりした冬用ヤッケと言ってもシンサレートとか化繊の綿が中に入ったゴワゴワしたやつ(厚手のアウターウェア)は日本の山には適しません。厚手のアウターウェアは暖かそうに見えるからいいと思うかも知れませんが、森の中を歩く時なんかは(風が無いので)暑くてどうしようもなくなくなるくらいです。冬山では多量の汗をかくのはベターでないからそれを脱ぐことになって、それでもって、かさばるからザックに入れにくて困るのです。かえって夏山用の雨具上下の方がコンパクトで使い勝手がいいのです。
@カサバラナイ薄手のタイプでフードだけがしっかり顔を覆えるようになっている冬用のヤッケを選んでください。本当に山を知ってる人が経営する登山用品店ならそういうヤッケがおいてあるはずです。
@冬用ヤッケが手に入らないら雨具の上下にフェイスマスク(or目出帽子)をプラスするのが良いです。もしかしたら、湿度が高く、森が多く、標高が最大で3776mの日本の山にはそれがベストかも知れません。
雪山用帽子
・・・耳まで覆える帽子です。毛糸のやつとナイロンのやつがありますが。湿った雪の降る日本の山ではナイロンの方が使いやすいようです。目出帽子をヤッケのポケットに入れておき、稜線で吹かれた場合はそれに変えます。吹かれた場合、肌の露出部分が凍傷にやられる可能性があります。目出帽子とヤッケをうまく使うとホワイトアウト(ブリザード状態で真っ白で数メートル先しか見えない)になっても、行動可能です。
軽アイゼン・・・
@四本爪軽アイゼンは雪の斜面が20度を超えるくらい(スキー場の中級コース)になると雪面をグリップすることが出来なくなります。
@六本爪軽アイゼン(国産のカジタの六本爪はフリーサイズで軽登山靴につけられます)が使い安いようです。
@Timtamでは六本爪軽アイゼンで行く雪山歩き(スノートレッキング)を多く企画しています。
十二本爪アイゼンに代表される重装備なしで夏山の用具に毛糸手袋と耳のかくれる帽子と、
スパッツと六本爪アイゼンを追加するだけで行ける雪のフィールドがたくさんあります。
@軽登山靴で雪山に行くとします。上の記述に反するようで申し訳ありません。六本爪(5千円くらい)に比べてかなり高価(1万5千円くらい)です。
そうなんですが、紐締め式の(ワンタッチ式でない軽登山靴につけられる)十本爪アイゼン(八本爪以上は軽アイゼンとは呼ばない)の方をお勧めします。
十本爪アイゼンならば爪先と踵にもアイゼンの爪があるので雪面のグリップ力が格段に向上します。アイゼンの項もお読みください。
アイゼン ・・・四本爪の軽アイゼンから縦爪モノポイントのアイスクライミング用まで種類は多いのですが、 雪山をオールラウンドに楽しむためには、横爪の十二本爪(小さい足の人は中の二本を減らした十本爪が雪の団子が着かなくて良い)のアイゼンが良いでしょう。
アイゼンを買う場合は自分の使っている登山靴を持ってお店に行き、靴に合ったアイゼンを買いましょう。 ワンタッチアイゼンのつく靴だったら迷わずワンタッチアイゼンにしましょう(ワンタッチアイゼンは靴との接合部品がほとんど金属で出来ているので,プラスチックのそれより破断しにくく信頼性が高いです)。
購入したら、土の上で履いてみて、ジャンプしてもはずれないように調節しておきましょう。調節及び修理用のペンチ,ドライバー,針金等はアイゼンの袋(専用の袋を売ってます)
にいっしょに入れて山に持って行きましょう。軽アイゼンの項もお読みください。
ピッケル
・・・雪山1年生の方は、諸説はあるのですが、手に持ってピッケルの石突きの先端が床から10cmくらい離れる(身長170cmの人で60~65cm)程度の長さ(長すぎると石突きを突く位置をピンポイントで狙えないし、大きく上下動させるので疲れます)で、縦走用というタイプがいいです。主なその用途は二点確保で歩く場合の杖、耐風姿勢の支点、滑落停止のブレーキ、スタンディングアックスビレーの支点、などです。ピッケルバンドにはリストループ式と肩掛け式がありますが、休憩後のピッケルの忘れ防止、左右持ち替えてピッケルを持ちやすい、セルフビレーになる、等の理由で肩掛け式の方を勧めます(体から何本もヒモが出るのはわずらわしいので、ピッケルバンドを使用しない中上級者が多くいます)。滑落停止をしたり、耐風姿勢をする必要がない山に行くのにピッケルはおおげさかも知れません、杖だけの用途ならストックの方が便利です。
ストック・・・
@二本ストック・・・街での歩きとか山スキーやスノーシューでの歩き方(踵から着地しつま先から離陸するような歩き方)の場合は二本ストックを用います。
二本ストックは体を支える杖になるだけでなく、前進するための推進力としても使われます。ストックの長さはスキーをするときの長さに合わせるとよいです。
@一本ストック・・・急な山道の登り下りでは静加重静移動の歩き方をします(歩幅を狭くし靴底をフラットに着地"ベタ足"して、
足場を正確にねらい踏みしめるように歩く)。この時にはストックが二本あるとかえって邪魔になってしまいます。
人は二本足で歩くことに高度のバランス感覚を持っていて、四足歩行の歩き方(右足→右手→左足→左手)までしなくても(動作が多すぎてまだらっこしくなる)、
杖一本を付加した二点確保の歩き(左足→右足→左or右手)で大丈夫なのです。
一本ストックの場合は上から体重をかけることが多いのでにぎり部分がスキーのストックのようなI字の形でなくて上から押さえるT字の形がいいです。
長さはピッケルの長さにあわせるとよいです(ピッケルの長さより短くても良いくらいです→長すぎると石突きを突く位置をピンポイントで狙えないし、
大きく上下動させるので疲れます)。またスキーの滑降時のように体側に水平に持つことがないので、
一本ストックはすぐ後ろを歩く人にストックの石突きが向いてっしまうような迷惑行為を防ぐことが出来ます。
@下りの時にストックの長さを伸ばす人がいますが、体の前にストックをついて体重をかけて、もし、
ストックにトラブルがあったら前転してころぶことになるので危険です。登りと同じ短い長さにして、体側より後ろにストックをつく(ピッケルと同じ使い方)
をするべきだと提案します。
@長さが調節出来るストックを持って来る人が多いのですが、ネジでクサビを開いてシャフトを固定するタイプのトラブルは深刻です。
雪の山の低温下で金属は収縮しますから必然的にネジが緩むのです。トンと突いただけでシャフトの固定がはずれてしまいます。その修復のために、
雪がついて滑るネジを、かじかんだ手で、きつく締めるのは難しいです。
伸縮しない普通のストックを勧めますがどうしても伸縮にこだわるならばジョイント部分がネジ式でないタイプにすべきです。
メーカーはネジ式がその改良をしなくても売れるから作るわけで、購入者側に責任の一端があります。登山用品店に行って店の人に「初心者だから・・・」
と言ってアドバイスを求めたりすれば、店員さんはよく売れるネジ式を進めてくれるのです。
登山用品店の店員さんになるようなタイプの人はストックを持って行くような登山をしている可能性は少ないと考えるべきです
(雪山行くとしたらピッケルを持って行くタイプのはず)。ストックに限らず、店員さんが何でも知っていると思ってはいけません。
ピッケルプロテクター
・・・街の中、ピッケルの刃をむきだしにして、ザックの後ろにつけている人をみかけたりします。プロテクターをつけ、手に持って歩くようにしましょう。
スコップ、ビーコン、ゾンデ
・・・雪崩対策の三ッ道具です。雪山サバイバル訓練
のページを参照してください。参考までに、友人の上家さんの発言を転記します。
@元旦に塩見岳に登頂しました。前日天気図をとろうとしたら、ラジオが変な発信をして聞き取りにくくて困りました。その時はラジオが壊れたのだと思っていました。
下山してラジオを聞いたらちゃんと聞こえるので「アレー変だな!」・・・、フット雪崩れビーコンのせいではないかと思い、
その場でビーコンのスイッチを入れたら山と同じ例の発信が始まりました。つまり、我々のパーティはだれも、
ラジオが近くにあるビーコンの発信を大きく受信してしまうことを知らなかったのです。考えてみれば初歩的な内容なのですが、
メッセージボードにてみなさんにお知らせします。天気図を取る人はビーコンのスイッチを切ることになるので、
雪崩れに対して充分に注意なければならないことになります。
赤布、しの竹
・・・迷わない雪山登山の方法は同じルートを往復することです。樹林帯を出ると、風で登りのトレースが消えるので、しの竹に赤い布をつけて20~50mおきくらいに雪面に立てて行きます。帰りはこの赤い布を目印にもどる(下る)のです。20mおきくらいにに立てればホワイトアウトしても帰れます。その他、目印としての赤布は有効です。山に残してくるので、自然にやさしくないと言われるのがたまにきずです。しの竹は束ねて腰につけて引いたり、ザックにつけたり、10本ぐらいならストックに縛りつけたりして携行します。赤布は穴を両サイドに空け、一方にひもを通して束ねて携行します。引きちぎって(一方の穴はなくなりますが)残ったもう一方の穴を利用して木の枝にタイオフして使います。
日焼け止めクリーム
・・・肌の弱い人は三月以後の山には必携です。五月の晴天の日に一日顔を太陽に無防備でさらすと、その夜から、顔に水泡が出来、暑くて、痛くて大変なことになります。ころばぬ先の杖でなくてクリームです。日焼けした君はステキだけれど、顔がボロボロになってはそんなこと言ってられません。
アイスアックスの研ぎ・・・一例といことで参考にして下さい。
シモンアナコンダの場合
もとの刃の形を崩さずに全体に薄く削り、刃の下の部分を削る。
下から見た所、右は刃先を紙に食い込ませて抜いた跡
カシンX-ALL MOUNTAINの場合
左は研ぐ前、中は研いだ後、右は両者の比較
上は研いだ後、下は研ぐ前
誤った研ぎ方
一見すると氷に鋭く刺さるように見える研ぎ方だがNGだ!
包丁のような形にすれば、上下方向にかかる力が最小限になるが、先細りの形にすると上下方向に氷を割る「くさび」になってしまい、打ち込むと大きく円形に氷が割れてしまう。元の刃の形を崩さずに全体を薄く削ること。
●刃先から2cm程度の所で(個人的ですが,2cm刺さると安心感があります)、厚みが3mmなるまで削るとだいたいの氷はささりますが春先の柔らかい氷は苦手のようです。厚み3mmの場合、岩をたたきたくはないですが・・・{刃先鋼材の消耗は避けられない先端から3mm程度までしかない)}。会員の方はホワイトボード1952番発言も見て下さい。