続々登山のロープワーク

ロープワーク目次  動画一覧

 
カラビナ懸垂

└YTube2分46秒
ハーフマスト懸垂は激しくロープがキンク(捩れ)ます。カラビナ懸垂はそのキンクを防げます。直角に重ねた2個のカラビナを3個にすれば制動力を増やすことが出来ます。カラビナが多く必要になることか欠点です。


 
マリーナヒッチ

└YTube2分
波の荒い時に船を桟橋に停めることに使われたのでマリーナヒッチと呼ぶようです。テンションのかかった状態で解除できるので、ビレーヤーの脱出やロープの結び目通過などに使われます。空中懸垂の状態でシステムが回転する場合は用いることが出来ません。

スリングで作るマリーナヒッチです。


カラビナに1回以上巻き付けます。
ハーフマストヒッチにする場合もあります。


テンションのかかる部分に数回巻き付けます。


テンションのかかる部分の2本のスリングを割って間にはさみます。テンションがスリングに移った後でもマリーナヒッチならば解除出来ます。

 
仮固定各種
仮固定を使うことが予想される場合はハーフマスト仮固定その1を最優先させて下さい。
HMSカラビナのみで仮固定出来てシンプルなので他の救助システムと併用が容易です。

 
ATC&エイト環仮固定

└YTube2分


└YTube4分

エイト環仮固定その1(行って返ってから仮固定を作る方式)
①同じ方法でATC仮固定が出来る
②一つ下の項に記載の1本のロープ用ハーフマスト仮固定も原理は同じ
①②併せ考えると、仮固定を「行って返ってから作る形式一つにしぼる」のが良いかも知れない。

小さめのカラビナで行って返って方式を作る)。


引手側のロープに輪を作るその1


引手側のロープに輪を作るその2


輪の中にロープを通して普通ノットでテンションのかかるロープを挟むように作りに行く。


引き締めて写真上部左側に出た輪を大きく引き出す。


引き出した輪で止め結び(フィッシャーマンズノットの片側)を作って完成。


上の写真を裏から見た図です。
この図では小さめのカラビナを足していません。小さ目のカラビナを足すと、加重によってそのカラビナがエイト環の上部あたりに移動します。止め結びを施していますから仮固定が解けることはありませんが、システムが動くので、仮固定の解除が困難になる可能性があります。
2人分の体重のような大きなテンションがかかる場合や懸垂下降の途中で仮固定することが始めから予想される等の場合は小さめのカラビナを足さずにあらかじめHMSカラビナにロープを通しておく方法(上図)を使用して下さい。

エイト環仮固定その2(都岳連方式)


 *Aの部分にカラビナをかけて止める。


*図の簡易仮固定は大きな加重がかかると解除出来ないので人を背負って懸垂下降する時には用いない。

 
ハーフマスト仮固定

└Ytube69秒

その1、1本のロープ用(セカンドビレー時の仮固定用)

仮固定を使うことが予想される場合はこのハーフマスト仮固定その1を最優先して下さい。HMSカラビナのみで仮固定出来てシンプルなので他の救助システムと併用が容易です。

左側がテンションのかかるロープ右側が引手側のロープ


引手側のロープに輪を作る。


輪の中にロープを通して普通ノットでテンションのかかるロープを挟むように作りに行く。


片蝶々結び(スリップドノット)になる。


蝶々の輪を長く引き出して


引き出した輪で止め結びを施して万全を期す。


その2、2本のロープ用(懸垂下降時の仮固定用)


*図は1本のロープだが、2本のロープを用いて懸垂下降をしている時に用いるのが良い。
*AとBをカラビナで連結するか、上の「その1、1本のロープ用」のように止め結びを施して万全を期す。
*Aの部分がネジレナイようにする(α状にならない)ことが大切である。

 
マリーナヒッチ応用仮固定マリーナヒッチの項参照)
@結ばないので解除が簡単という利点がありますが、空中懸垂の状態でシステムが回転する場合は用いることが出来ません。
@マリーナヒッチ応用仮固定はビレー器がエイト環でもHMSカラビナでも出来ます。
@テンションがかかった後、フリーに使える方の手でカラビナをビレーループに一枚追加します(これでビレーループにかかるカラビナはHMTカラビナとノーマルカラビナの2枚になります)。
カラビナを足さずにHMSカラビナのみで「行って返って」を作れるように、あらかじめHMSカラビナにロープを通しておく方法があります(2人分の体重のような大きなテンションがかかる場合にはカラビナを足さない方法を使用して下さい)。⇒参照:エイト環仮固定の項
@テンションを支える引き手側のロープをそのノーマルカラビナにかけて折り返しATCの上直近のトップ側のロープに(又はATC下のあごヒモ丈のワイアーの所に)数回巻き付け、巻きがほどけないように巻きの頭を、2本の懸垂用ロープの間に挟み込んでから、適当な所にカラビナで止めて出来上がりです。

その1 左に伸びるロープがビレーヤーの引き手側です。


その2 カラビナをビレーループに追加します。
カラビナを足さずにHMSカラビナのみで「行って返って」を作れるように、始めからHMSカラビナにロープを通しておく方法がある)。 2人分の体重のような大きなテンションがかかる場合は小さめのカラビナを足さずにあらかじめHMSカラビナにロープを通しておく方法を使用して下さい。⇒参照:エイト環仮固定の項


その3 カラビナ折り返し(行って帰って)をセット、大きさの異なるカラビナでないと制動力が低下します。


その4 ATCの上に巻きつけて行きます(ATCの下の黒いアゴヒモの所に巻き付けても良い)。


その5 ここでエイト環仮固定その1のように縛ってしまう方法があります(方法が一つに統一出来る)。


その6 たくさん巻けば、莫大なテンションがっかっても大丈夫です。


その7 巻き終わりの部分が回転して巻きがほどけないように、金色カラビナのかかるロープ折り返し部分適当な所で縛って止めて出来上がりです。HMSカラビナとかビレーループといった仮固定システムの心臓部の所で縛ると、大きな力がかかった場合に解除出来なくなります。懸垂下降している場合は、巻き付けた後、金色カラビナ側のロープをテンションのかかっている2本のロープの間に挟んで、さらにどこかに止めます。

 
ほどけない靴紐の結び方(靴紐ではわかりにくいので太めのロープで解説)

└Ytube2分

1、まず蝶々結び(スリップド ノット)を作りに行きます。


2、蝶々結びの結び目を少し緩めておきます。


3、蝶の輪の片側を引き出します。


4、引き出した輪を緩めた結び目にからめに行き手前から奥に差し込みます。


5、輪を差し込んでから、右の輪と左の輪を引いて結びをきつく締めます。


6、ほどけない靴紐の結び方が完成した所です。


7、実際に靴紐を結んでみました。輪が小枝に引っかかってもほどけません。末端の紐を
 引けば簡単にほどけます。


 
タイオフ(ガースヒッチ)とラウンドターンヒッチ

└Ytube1分
 

└Ytube3分
<参考>ハーケンにスリングをガースヒッチでかけるのは問題なのか→こちらをごらん下さい。

要するに、輪ゴムを止める結び方がタイオフだ


スリングの長さが充分にあればラウンドターンヒッチを使うことでタイオフによる強度低下を防ぐことが出来る。


腕より太い枯れていない樹木にラウンドターンヒッチを施して作った支点が最も信頼出来ると考えて良い。
※タイオフやラウンドターンヒッチを施す幹や枝が枯れていないか確かめることを忘れないこと。
※さらに図のカラビナを回転させて(ゲートを上に向けて)支点の出来あがりです。

 
クライミングギアの携行方法

└Ytube3分

<参考>スリングをたすきがけにするリスクについて→こちらをごらん下さい。

胸のギアラックは市販の物よりも15mm幅のテープをリングベンドで結んで自作した方がベターだ。
①スリングとして使えるから
②ザックを背負っても肩に違和感がないから


ギアアラックを左手を通して肩にかけ、カラビナ等をかけて行く。ギアラックを肩にかけてからザックを背負う。


胸のギアラッにかけるカラビナ等は大きくて重いものから順にかけて行く。


①ザックを背負ったら(写真ではザックを省略)、120cmスリングの両末端をカラビナでつないで60cmの輪にして右手を通す側の肩にかける。
②写真の銀色のカラビナを120cmスリングの片側の末端から外した後、正面に引き出せば、簡単に取り出すことが出来る。2倍長の240cmスリングでも同じことが出来る。


120cmスリングの上に60cmスリングをかける。左手と両足でレストして、右手でスリングを体から着脱する。


①エイト環は大きい輪をカラビナにかけてハーネスのギアラックに吊るす(ロープをかけてからエイト環をカラビナから外せばエイト環を落としにくく出来る)。
②ATC等のビレー器具を持っていれば吊るす。
③写真には無いがルベルソーキューブ等のセカンドオートロックビレー器の場合は解除用のカラビナ(大き目が良い)を近くに吊るしておくと良い。


◆ヌンチャクを外す時,腕を伸ばして「レスト」出来るので、ヌンチャクは下からすくい上げるようにハーネスのギアラックに吊るすのが良い(ヌンチャクは前傾壁で用いることが多く前傾壁では、胸のギアラ ックは自重で背中側に回りやすく扱いにくい)。
◆ヌンチャクはストレートゲートのカラビナをハーケン等の穴にかけ、ベントゲートのカラビナにロープをかける。
ヌンチャクを4ヶ吊るしたなら60cmスリング6ヶと普通カラビナ6ヶで計10ヶの中間支点用具を持つようにする(10ヶ以上)。
◆余談だが、クライマーが右上方向に登る場合にボルトにヌンチャクをかける向きが写真のヌンチャク向きと一致している。



180cmスリングや240cmスリングは2~4重に重ねて→(注:写真は解かりやすくするため60cmスリングを用いている。)


縄をなうようにひねりを加え→


中央で折ってカラビナをかけて、この状態でギアラックに吊るす。


ハーケンの穴はカラビナがかけられる十分な大きさがあるが、実際には上右写真のようにハーケンの頭が外に出ていなかったり潰れていたりでカラビナがかかられない場合が少なくない(ヌンチャクは使えない)。




ハーケンが支点のルートの場合は出来るだけ細いスリングを携行して、ハーケンの穴に通して(写真のようにチョックレンチで引き出すとことも多い)カラビナをかけて支点にする。スリングの強度が落ちるのでハーケンに直接スリングをかけないと言う意見もあるが、強度が落ちても支点がないよりはずっと増しだし、スリングの強度不足よりハーケンが抜けるリスクの方が高い。また、スリング1本とカラビナ1つで支点が出来るのでヌンチャクより軽く出来る(多用途でもある)。


ハーケンが途中までしか打ち込まれていない場合は根本にタイオフして支点とする。


細い枝にフリクションヒッチをセットして支点とする。

ちなみに、スリングを肩にかけて携行する方がアルパインヌンチャク等にして持つより便利だ。片手でスリングを出し入れ出来るからだ。その場合、首にかけるのでなく手を通して肩にかけることを怠ってはならない(20年程前に首吊り事故があったのと聞いている)。肩にかける場合はスリングの長さは60cmが良いのだが、小さい人には長すぎて肩から落ちてしまうので、50cmスリングを自作すると良い。


*ハーネスのギアラックにガースヒッチでかける方法の長所は首吊りリスクがない,片手で出せる、短所は片手では戻せない,吊り下がる長さが30cm弱になる(15cm程度に収めたい),薮コギに弱い *編む(写真一番右)方法はなんと言っても扱いに時間がかかりすぎるので推奨しない。


 
ロープのしまい方

└Ytube7分

その1、ロープをロープ袋に順次押し入れる方法
  └ この方法が最優先


*シラフをシラフ袋の押し込む要領で、ロープをロープ袋に順次押し入れて行きます。使う時にスルスルとロープを取り出せるので大変に便利です。

*他の方法よりかなり早くロープがしまえます。

*ロープ袋を厚手のビニール袋(重量パック←ホームセンターで売っています)にすれば、濡れたロープでもザックに入れられます。

ショートロープの使用が予想される時に有効です。また、めったに使わないけれど使う時は急場であるだろう、補助ロープのしまい方(携行方法)として有効です。沢登りには最適です。

*別の人にロープ袋の口を広げて持ってもらいます。
写真で、別の人はこちらに背中を向けてしゃがんでいて(読者の位置にいる)、右手青Rと左手青Lで袋の口を広げて持っています。

*ヘルメットのあご紐にカラビナをかけそこにロープを通します。
写真で、ロープを袋に入れる人は顔をこちらに向けて立っています。赤いヘルメットのあご紐に青いカラビナをかけてピンクのロープを通しています。

*ロープを両手で交互にロープを袋の中に押し入れて行きます。
写真で、ロープをしまう人の右手が赤R、同左手が赤Lです。ロープをしまう人は左右の手でロープを持ち、交互に下に向けて袋の中ほどまで手を挿入しながらロープを袋に押入れて行きます。

*ロープの末端まで押入れたら、結び目を作るなどして目印をつけます。
ロープの末端がすぐに見つかるようにしておくことは重要です。末端がわからなくなって、それを探すうちに末端がロープの間を通り、途中に期せずして結び目が出来てしまいます。ロープの末端探しは大きな無駄時間と無駄作業につながります。





その2、折りたたみ(振り分け) ←Timtam&笈の岩登り教室で使っている方法です。


└Ytube3分


末端がわからなくならないように遠くに置くか、結び目を作っておくこと。末端の位置をいつも把握していることは基本中の基本と考えます。写真では左右のロープがシート上にありますが、実際には手の下に垂れ下がります。


ロープは巻かないでたたみます(折り返すように重ねる=振り分ける)。巻くとクルクルとキンクしてしまいますので、ロープを巻くことはほとんどありません。
*ショートロープで余ったロープを肩にかける時は巻きます。


手の平に乗らなくなったら手首に乗せます。手でなくて、首に乗せてロープを振り分ける人もいます(ロープが濡れていなければの話)。
 

全部たたみ終わったら、たたみ終わりの末端(青線で印をつけました)を中央で折り返し、始めに遠くに置いておおいたもう一方の末端(赤線で印をつけました)を使って、ロープの束の中央を強く巻いて引き締めます
{写真を見て下さい:赤末端を上に向かって(巻く前にロープの端が上から下に向かっていたから,上に向かう…下から上に向かっていたなら下に向かう)6回半巻いて青末端で作ったヘアピンの穴を通してから、青と赤の両末端を引き締めます}。
ロープを締めてまとめる方法は他にもいろいろな方法がありますが、方法よりもロープのたたみが崩れないようにきっちり締めて頑丈に縛っておくことが大切です。崩れてしまうと、ザックから出して、再度使う(リードアンドフォローのロープワークetc.)時にロープがお祭りして(こんがらがって)ほどくのが大変になってしまいます。


その3、ロープバッグ
←シングルピッチの岩登りで使います。

ロープの末端がわからなくならないようにロープバッグシート付属の輪(白)に結びます。白の輪に結んだロープが下のロープ(=セカンドがハーネスに連結するロープ)です。


ロープバッグシートの上にロープをバサバサと折り返すようにして重ねて行きます。この作業(=ロープの上と下を作る)はクライミング開始の時とマルチピッチの途中でリーダーとセカンドが入れ替わらない時)は毎回行います。ロープバックはそれ(ロープの上と下を作る)を簡略化出るのです。


シートの上にロープを全部送ったら、送り終えた方の末端を付属の赤い輪(右上)に結びます。ロープの赤末端が上のロープ(リーダーがハーネスに結ぶロープ)です。
①長いロープの途中に1つもむだかりがない。
②末端がわからなくなってしまうことがない。
③赤末端を引けば白末端までスルスルと出て行く。



付属の輪(赤)に結んだ所を拡大しました。写真は普通
のノットですがエイトノット等でもよいです。


シートをたたんでバッグ本体に入れ込み


ファスナーを締めて、ロープのしまい終わりです。ファスナーを開けて2つ前の写真まで戻れば、すぐにロープが使える状態になります。シングルピッチの岩場ではロープバックは便利です。マルチピッチの場合は軽くて懸垂下降の時に袋入れ懸垂 (参考リンク)が出来るので、ロープバッグでなくてロープ袋を使います。
参考

*ロープのしまい方は他に様々あります(適宜使い分けて下さい)。
*ロープを長く保管する場合はロープの酸化を防ぐためにロープ袋かロープバッグに入れ、さらにビニール袋に入れ て下さい。 
*クライミングロープを扱って40年、登山中の‘ロープを出す場面’と‘しまう場面’と‘途中’の2+α回ずつ、ロープバックの2番目の写真の説明に記したロープの上と下と作る(動画) 作業を必ず行って来ました。ロープワーク(rope・work)の最も本質的なワーク(work)が「ロープの上と下を作る」なのかも知れません。

└Ytube2分24秒



ロープの結び方 2026.2/28更新

間と登るロープワーク(1)に行く
└ロープワークのページを連続して読んで行くことが出来ます。


登山教室Timtamのトップへ


登山教室Cueのトップへ